※この記事は行政書士事務所の開業準備中に執筆したものです。
現在は大阪市中央区で行政書士事務所を開業し、
障がい福祉事業所の運営支援・開業支援を行っています。
制度や支援策は変更されるため、2026年8月時点の情報に更新しています。
はじめに:資金調達の第一歩でつまずかないために
法人を設立する際や、障がい者福祉事業へ新規参入する際、多くの経営者が最初に直面するのが「資金」の問題です。「自己資金だけでは不安」「融資や補助金の制度が複雑でよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、私自身も現在、行政書士としての開業準備を進めながら、日本政策金融公庫の融資手続きを体験中です。資金調達の実務を実感しながら、「誰に相談すればいいのか分からない不安」は痛いほど理解できます。
この記事では、資金調達や補助金申請に関する基本的な考え方と、行政書士がサポートできる範囲について、実際の制度や公的情報をもとにご紹介します。
資金調達の方法は主に3つ|創業期に知っておきたい基本
1. 自己資金(貯蓄)
創業時の資金計画では、自己資金と借入金のバランスを考えることが重要です。
現在、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」について、旧「新創業融資制度」にあった「創業資金総額の10分の1以上」といった自己資金要件は設けられていません。
ただし、自己資金が少なく借入への依存度が高い資金計画になっていないかは、創業計画を考えるうえで確認しておきたいポイントです。
2. 融資(日本政策金融公庫など)
創業者が検討できる代表的な融資の一つが、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」です。
- 対象:新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
- 融資限度額:7,200万円
- 設備資金:20年以内
- 運転資金:10年以内
また、新たに事業を始める方や、事業開始後まだ税務申告を2期終えていない方については、原則として無担保・無保証人で利用できる創業融資の取扱いがあります。
融資制度の要件や利率は変更されることがあるため、申込み時点で日本政策金融公庫の最新情報を確認してください。
3. 補助金
国の補助金にはさまざまな制度があり、公募される制度や対象者、対象経費は年度によって変わります。
2026年度には、たとえば次のような制度が公募されています。
- 小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>
- 新事業進出補助金
- 中小企業省力化投資補助事業
- デジタル化・AI導入補助金
ただし、「創業するから利用できる」というものではありません。それぞれ対象者、事業内容、対象経費、申請時期などの要件が定められているため、公募要領を確認したうえで検討する必要があります。
障がい者福祉事業は初期投資も多い|資金計画が命
障がい者福祉事業、特に「就労継続支援A型・B型事業所」や「グループホーム」の設立には、以下のような初期費用がかかります。
- 不動産の契約費(賃料・保証金など)
- 内装工事費
- 福祉用具や備品の購入費
- 職員採用・研修費
- 指定申請・法人設立費用
障がい福祉事業所の開設では、物件取得費、内装工事費、設備・備品費、人件費など、事業内容に応じた初期費用が必要になります。
必要額はサービス種別、物件の状態、人員体制などによって大きく異なるため、一律の金額ではなく、開設予定の事業所ごとに資金計画を作成することが重要です。
物件は、契約してから指定基準に合わないことが判明すると、大きな手戻りにつながります。
補助金・助成金の種類と特徴|狙い目の制度はどれ?
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が自ら策定した経営計画に基づいて行う販路開拓などの取組を支援する制度です。
2026年度には「一般型・通常枠」に加えて、創業期の小規模事業者等を対象とする「創業型」も公募されています。
補助上限額、補助率、対象経費、申請要件などは公募回や申請類型によって異なるため、申請時点の公募要領を確認してください。
行政書士ができる資金調達・創業支援とは?
1. 事業計画の整理・作成支援
創業時には、事業内容、必要資金、収支計画などを整理する必要があります。行政書士は、事業計画の整理や書類作成を支援できます。
2. 補助金申請の支援
行政書士の業務範囲で取り扱うことができる補助金について、公募要領の確認、必要書類の整理、申請書類の作成などを支援できます。
なお、雇用関係の助成金など、社会保険労務士の業務に該当するものは社会保険労務士と連携して対応します。
3. 法人設立や指定申請を含めた創業スケジュールの整理
障がい福祉事業所を開設する場合には、法人設立、物件、人員配置、指定申請、資金調達などを並行して検討する必要があります。
行政書士が担当できる定款作成や指定申請などを支援し、会社・法人の設立登記については司法書士と連携して進めます。
支援機関との連携で可能性が広がる
行政書士が単独で全ての資金調達支援を行うのではなく、以下のような専門機関との連携も重要です。
- 商工会・商工会議所:持続化補助金の支援窓口
- 日本政策金融公庫:創業融資の窓口
- 中小企業診断士:財務分析や経営戦略の専門家
- 社会保険労務士:雇用助成金などの申請支援
行政書士は「相談の入り口」として、必要に応じてこれらの専門職と連携し、総合的な支援体制を整えることが可能です。
私自身も経験しました|開業準備で感じた課題と気づき
この記事を最初に執筆した当時、私自身も行政書士事務所の開業準備を進めながら、日本政策金融公庫への融資申請に取り組んでいました。
事業計画書の作成、必要資金の整理、見積書の取得など、実際に手続きを進めるなかで、創業時の資金計画は早い段階から準備しておくことが重要だと実感しました。
まとめ|資金調達の相談は“最初の段階”がカギ
創業時や新規事業参入時の資金調達は、早めの準備と正確な情報がカギとなります。補助金の申請スケジュールや融資条件を知らないことで、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。
「誰に相談していいかわからない」と感じたら、まずは行政書士にご相談ください。あなたの事業に合わせた、具体的なサポートをご提案いたします。
障がい福祉事業所の開設は、資金だけでなく「進める順番」が重要です
物件、人員配置、指定基準、資金計画などを個別に考えるのではなく、開設までの流れを整理してから動くことで、手戻りや想定外の負担を減らしやすくなります。
行政書士田中慶事務所では、開設予定の事業内容や現在の準備状況を確認し、必要な手続きや進め方を整理したうえでサポートしています。
