はじめに:資金調達の第一歩でつまずかないために
法人を設立する際や、障がい者福祉事業へ新規参入する際、多くの経営者が最初に直面するのが「資金」の問題です。「自己資金だけでは不安」「融資や補助金の制度が複雑でよくわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、私自身も現在、行政書士としての開業準備を進めながら、日本政策金融公庫の融資手続きを体験中です。資金調達の実務を実感しながら、「誰に相談すればいいのか分からない不安」は痛いほど理解できます。
この記事では、資金調達や補助金申請に関する基本的な考え方と、行政書士がサポートできる範囲について、実際の制度や公的情報をもとにご紹介します。
資金調達の方法は主に3つ|創業期に知っておきたい基本
1. 自己資金(貯蓄)
創業融資や補助金申請において、自己資金の割合は重要視されます。たとえば、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、原則として創業資金総額の10分の1以上の自己資金を求められます。
(※出典:日本政策金融公庫「新創業融資制度のご案内」)
2. 融資(主に日本政策金融公庫)
創業者向けの代表的な融資制度が「新創業融資制度」と「中小企業経営力強化資金」です。無担保・無保証での借入も可能で、金利も低く設定されています。
- 利率:他の金融機関より低利率で融資可能な場合が多い。
- 返済期間:運転資金で最大10年、設備資金で最大20年
- 審査期間:申請から約3〜4週間(※個別に異なる)
3. 補助金・助成金
創業期に活用できる補助金として代表的なのが「小規模事業者持続化補助金」「事業再構築補助金」「地域創造的起業補助金」などがあります。
たとえば、持続化補助金では、50万円~200万円までの補助を受けられるケースがあります(※上限額や要件は公募要領による)。
障がい者福祉事業は初期投資も多い|資金計画が命
障がい者福祉事業、特に「就労継続支援A型・B型事業所」や「グループホーム」の設立には、以下のような初期費用がかかります。
- 不動産の契約費(賃料・保証金など)
- 内装工事費
- 福祉用具や備品の購入費
- 職員採用・研修費
- 指定申請・法人設立費用
実際、就労継続支援A型事業所の開設にあたっては、初期費用として500万円以上が必要となるケースがあることが、厚生労働省の資料からも示唆されています。具体的な金額や詳細については、厚生労働省の関連資料をご参照ください。
補助金・助成金の種類と特徴|狙い目の制度はどれ?
小規模事業者持続化補助金(一般型)
- 補助率:2/3
- 補助上限額:最大200万円(特定事業類型該当時)
- 対象経費:広告費、機器導入費、専門家謝金など
特に「障がい者福祉事業の開業にあたって地域課題解決を目指す場合」などは、加点対象になる可能性があります。
行政書士ができる資金調達支援とは?
行政書士は、法的手続きの専門家として、以下のような資金調達支援を行うことができます。
1. 事業計画書の作成サポート
融資や補助金申請では、実現可能性のある事業計画書が重要です。行政書士は、構成や必要記載事項、行政用語の整理などをサポートできます。
2. 各種補助金・助成金の要件確認と申請書作成
公募要領に沿った申請書の作成支援、必要書類の収集・整理を代行・補助します。
3. 法人設立と合わせた一貫サポート
法人設立(定款作成、設立登記書類作成支援)と補助金・融資申請のスケジュールを整理しながら支援することで、無駄のない創業準備が可能です。
支援機関との連携で可能性が広がる
行政書士が単独で全ての資金調達支援を行うのではなく、以下のような専門機関との連携も重要です。
- 商工会・商工会議所:持続化補助金の支援窓口
- 日本政策金融公庫:創業融資の窓口
- 中小企業診断士:財務分析や経営戦略の専門家
- 社会保険労務士:雇用助成金などの申請支援
行政書士は「相談の入り口」として、必要に応じてこれらの専門職と連携し、総合的な支援体制を整えることが可能です。
私自身も経験中|開業準備で感じた課題と気づき
現在、私自身も行政書士としての開業に向けて、日本政策金融公庫への融資申請を進めています。事業計画書の作成や、自己資金比率の見直し、見積書の取得など、想像以上に準備が必要だと実感しています。
この経験を活かし、これから創業される方の「最初の一歩」に寄り添ったサポートを行いたいと考えています。とくに障がい者福祉事業は、社会的意義が大きい反面、資金面の課題も多く、一緒に考えながら最適な選択肢を探っていく必要があります。
まとめ|資金調達の相談は“最初の段階”がカギ
創業時や新規事業参入時の資金調達は、早めの準備と正確な情報がカギとなります。補助金の申請スケジュールや融資条件を知らないことで、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。
「誰に相談していいかわからない」と感じたら、まずは行政書士にご相談ください。あなたの事業に合わせた、具体的なサポートをご提案いたします。
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