行政書士×障害者支援｜キャリアチェンジで人生が変わった体験談

行政書士×障害者支援｜キャリアチェンジで人生が変わった体験談

皆さん、こんにちは。障がい者福祉分野を専門とする行政書士の田中慶（たなか けい）です。

このブログでは、いつも制度や手続きの話をしていますが、今回は少し違います。

今日は、私自身の話をさせてください。

コールセンターのリーダーとして働いていた私が、なぜ今、障がい者福祉分野を専門とする行政書士として働いているのか。

休職、復職、A型事業所での挫折と再スタート、そして40代での資格取得。

障がいとともに生きる自分を否定する日々から、「ピア行政書士」として誰かのそばに寄り添う道を見つけるまで。

私の10年間の記録が、今立ち止まっている方や、支援の複雑さに悩む事業者の皆さんの「次の光」になれば幸いです。

一人の当事者が、支援を受ける側から提供する側へ。その道のりと、今伝えたいことをお話しします。

「休むことが許されない」日々

10年前、私はコールセンターのリーダーとして働いていました。

責任ある立場で、チームをまとめ、クレーム対応をこなす。

周りからは「頼りになる」と言われ、自分でもそう思っていました。

でも、心の中では違いました。

「休むことが許されない」

そんなプレッシャーが、いつの間にか私を追い詰めていました。

心身のバランスが崩れた日

ある日、突然、体が動かなくなりました。

朝起きても、ベッドから出られない。出勤しようとしても、足が前に進まない。

病院で言われたのは、「うつ状態」という診断でした。

「私が？まさか」

そう思いました。でも、それが現実でした。

休職、そして復職の繰り返し

休職して、少し良くなったら復職する。でも、またすぐに症状が出て休職する。

そんな日々が続きました。

復職のたびに、周りの目が気になりました。

「また休むんじゃないか」
「迷惑をかけている」

そう思われているんじゃないかと、いつも不安でした。

結局、数年間で何度も休職と復職を繰り返し、何度も居場所を失いました。

障がい福祉サービスとの出会い

「もう、普通に働くことは無理なのかもしれない」

そう思い始めた頃、福祉サービスという選択肢があることを知りました。

就労移行支援での訓練

最初に利用したのは、就労移行支援でした。

「自分のペースで働くことの大切さ」
「無理をしないことが、長く働き続けるコツ」

今まで「当たり前」だと思っていた働き方が、実は自分には合っていなかったことに気づきました。

A型事業所での挫折と再スタート

就労移行支援を修了後、障がい者雇用を経て就労継続支援A型事業所で働き始めました。

体調の波があり、思うように働けない日もある。周りに迷惑をかけているんじゃないかと、また不安になる。

結局、A型事業所も辞めることになりました。

「やっぱり、私には無理なのかもしれない」

そう思いました。

転機：「支援を受ける側」から「支援する側」へ

挫折を繰り返す中で、私はあることに気づきました。

制度の複雑さという壁

福祉サービスを利用する中で、何度もぶつかったのが「制度の複雑さ」でした。

「この書類は何？」
「どこに相談すればいいの？」
「私はこのサービスを使えるの？」

分からないことだらけでした。

「助けてほしい」と言いたいけど、どこに言えばいいか分からない。

そんなもどかしさを、何度も感じました。

「この経験を活かせないか」

ある日、ふと思いました。

「私が経験してきたこの苦労を、少しでも減らせる仕事はないだろうか」

そこで出会ったのが、行政書士という仕事でした。

行政書士は、許認可申請や書類作成の専門家です。

福祉事業所の開設支援や、運営のサポートもできる。

「これだ」

そう思いました。

利用者としての経験を活かして、制度の複雑さに悩む人たちを支援できる。

「支援を受ける側」から「支援する側」へ。

それが、私の新しい道でした。

40代での挑戦：行政書士資格の取得

決意したのは良いものの、簡単な道ではありませんでした。

勉強との戦い

40代での資格取得。

しかも、体調の波がある中での勉強は、想像以上に大変でした。

調子が良い日は集中して勉強できるけど、悪い日は何もできない。

「本当に受かるのだろうか」

不安な日々でした。

諦めなかった理由

それでも諦めなかったのは、「誰かの役に立ちたい」という想いがあったからです。

過去の自分のように、制度の複雑さに悩んでいる人がいる。

福祉サービスを提供したいのに、書類や手続きに追われて疲弊している事業者がいる。

その人たちの力になりたい。

そう思うと、もう一度机に向かうことができました。

合格、そして開業

そして、合格しました。

40代での行政書士資格取得。

それは、私の人生の大きな転機でした。

2024年9月1日、私は障がい者福祉分野を専門とする行政書士として開業しました。

私が「ピア行政書士」として大切にしていること

私は、「障がいが治ったから社会復帰できた」わけではありません。

今も通院を続け、服薬しながら働いています。

でも、それでいいと思っています。

「ピア」としての視点

「ピア」とは、「仲間」「対等な立場の人」という意味です。

私は、かつて支援を受けてきた一人の利用者です。

その経験があるからこそ、分かることがあります。

• 制度の複雑さが、どれだけ心身の負担になるか
• 「助けてほしい」の一言を出すまでに、どれだけの葛藤があるか
• 体調の波がある中で、どう働き続けるか
• 周りの目が、どれだけプレッシャーになるか

これらは、当事者でなければ本当の意味では理解できないことだと思います。

制度の「壁」を壊す

制度は、「生きる選択肢を広げる力」です。

でも、その制度が複雑すぎると、かえって利用者や事業者を追い詰めてしまいます。

特に、障がい者福祉分野の事業者は、頻繁な法令改正や膨大な許認可・運営手続きに追われ、本来の利用者さんへの支援がおろそかになりかねません。

私が行政書士として目指すのは、その「壁」を壊すことです。

煩雑な手続きを代行し、事業者が本来の支援に集中できる環境を作る。

それが、私の使命だと思っています。

この記事を読んでいるあなたへ

この記事を読んでいるということは、あなたは今、何らかの「不安」や「課題」に直面しているのではないでしょうか。

もし、あなたが当事者なら

「働きたいけど、自信がない」
「また失敗するかもしれない」
「自分には無理なんじゃないか」

そう思っているかもしれません。

でも、大丈夫です。

私も同じように思っていました。でも、今こうして働いています。

完璧じゃなくていい。自分のペースでいい。

大切なのは、「諦めないこと」と「自分に合った働き方を見つけること」です。

福祉サービスは、そのための選択肢の一つです。

就労移行支援、就労継続支援A型・B型、様々なサービスがあります。

「どのサービスが自分に合っているか分からない」という方は、ぜひ相談してください。

もし、あなたが事業者なら

「事業を始めたいけど、許認可の複雑さに不安を感じている」
「運営で、事務作業の負担に限界を感じている」
「法改正や実地指導への対応に不安がある」

そう思っているかもしれません。

それは、あなたが真面目に、誠実に事業に向き合っている証拠です。

でも、一人で抱え込む必要はありません。

行政手続きは、専門家に任せてください。

あなたは、利用者さんへの支援に集中してください。

それが、利用者さんにとっても、あなたにとっても、一番良いことだと思います。

「不安」を「行動」に変える

この記事を読んで、「共感した」「参考になった」と思っていただけたなら嬉しいです。

でも、それで終わりにしないでください。

「納得して終わり」ではもったいないです。

不安を抱えたまま時間だけが過ぎていくと、その不安はどんどん大きくなります。

「また失敗するかもしれない」
「やっぱり無理なんじゃないか」

そんな自己否定の気持ちにつながってしまいます。

支援の土台を固めるために

私の経験から言えるのは、「焦らず、自分のペースで、ゆっくり歩いていく」ことが、長期的な安定につながるということです。

これは、当事者にとっても、事業者にとっても同じです。

事業者の皆さんへ

行政手続きで消耗せず、安定した運営基盤を作ることが、利用者さんへの継続的な支援を可能にします。

次のステップ

1. 「何に時間を奪われているか」を書き出す：許認可、運営基準、報告書作成など、具体的な業務を特定します
2. 専門家に「時間を買う」：業務を委託することで、あなたは解放され、事業の「本質」に集中できます
3. 安心という土台を築く：法的な安心感は、スタッフの士気や利用者への質の高い支援につながります

あなた自身のエネルギーを、最も大切な場所（利用者支援）に回すために、「不安の根源」をプロの手に委ねてください。

当事者の皆さんへ

「働きたい」「自立したい」という気持ちは、素晴らしいことです。

でも、無理は禁物です。

自分に合った働き方、自分に合ったサービスを見つけることが大切です。

「どのサービスを利用すればいいか分からない」
「自分に合った事業所の選び方が分からない」

そんな疑問があれば、ぜひ相談してください。

制度のこと、サービスのこと、丁寧にご説明します。

まとめ：一緒に歩きましょう

私は、「治ったから」行政書士になったのではありません。

今も障がいとともに生きています。

でも、それでいいと思っています。

完璧じゃなくていい。自分のペースでいい。

大切なのは、「諦めないこと」と「自分らしく生きること」です。

私の10年間の経験が、あなたの「次の一歩」のヒントになれば嬉しいです。

そして、もし私がお役に立てることがあれば、いつでもご連絡ください。

当事者として、専門家として、あなたのそばに寄り添います。

一緒に歩きましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

障がい者福祉分野専門　行政書士　田中慶

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