【親なきあと】新年度を機に見直したい3つの準備|エンディングノートの更新タイミング

新年度が始まり、2週間。お子さんの進路や生活リズムが整い始め、少しだけ周囲を見渡す余裕が出てきた頃ではないでしょうか。

実は、この「環境が変わった直後」こそが、将来の**「親なきあと」**に向けた準備を見直す絶好のタイミングです。

こんにちは。行政書士の田中慶です。

私は普段、福祉事業所の経営支援を行っていますが、その活動の大きな目的は**「親がいてもいなくても、本人の権利が守られる構造」**を作ることです。

今回は、4月のこの時期だからこそ意識したい、親なきあとの「3つの準備」を整理しました。


目次

なぜ「4月」に親なきあとを考えるのか?

新年度は、お子さんの新しい担当者、新しい連絡先、新しい日課など、膨大な情報が更新される時期です。 この「最新の情報」が頭にあるうちに整理しておかないと、いざという時に**「今、この子がどういう支援を必要としているのか」**を第三者が正確に把握できなくなってしまいます。

親なきあとの準備とは、死後のことだけを考えるのではありません。 **「今、親が動けなくなった時に、この子の生活をどう維持するか」**という構造を、最新の状態にアップデートする作業なのです。


新年度に見直したい「3つの準備」

1. 「生活の引き継ぎ」情報の更新

新しい学校や事業所から配布された「個別支援計画」の内容を、家庭用のノートやエンディングノートに反映させましたか?

  • 整理のポイント: 「支援者が変わった時に、これだけは伝えておきたいこだわり」や「パニック時の対処法」など、4月の環境変化で気づいたお子さんの新しい反応をメモしておきましょう。
  • 構造の視点: 支援記録が事業所にあるように、家庭側にも「生活の記録」があることが、将来の支援者への最大のバトンになります。

2. 「金銭管理・資産」の見直し

4月の利用料の変更や、手当の切り替え、就職に伴う工賃(給与)の変化などはありましたか?

  • 整理のポイント: 本人の通帳の残高、管理の状況を再確認してください。
  • 構造の視点: 「親が管理している」状態から、将来的に「誰が、どう管理をサポートするか」を考える時期です。日常生活自立支援事業の利用や、家族信託などの仕組みも含め、専門家に相談しながら「親以外が関わる仕組み」を検討する余地をリストに入れましょう。

3. 「意思決定支援」のシミュレーション

18歳や20歳を迎え、本人が契約の主体となる場面が増えていませんか?

  • 整理のポイント: 成年後見制度を「いつから使うか」と焦るのではなく、**「今、本人が何に困っていて、どのようなサポートが必要か」**を、新年度の様子を見ながら観察しましょう。
  • 構造の視点: 4月の環境変化に対するお子さんの適応力を見て、将来的な「任意後見」や「法定後見」の必要性を検討するための冷静な材料にします。

整理の視点:エンディングノートは「最新の取扱説明書」

エンディングノートは、一度書いて終わりではありません。 特に障害のあるお子さんの場合、**「4月の環境変化にどう対応したか」**という最新の記録こそが、将来の支援者にとって最も価値のある情報になります。

私自身、支援を受ける立場として感じてきたのは、親の「想い」はもちろんのこと、**「親の気持ちだけでなく、どう手続きすればいいかが具体的に分かること」**が、何よりの安心感でした。


まとめ|新年度は「気合い」ではなく「構造」で備える

親なきあとの準備は、重くて暗いテーマに感じられるかもしれません。 しかし、4月の慌ただしさを「情報の更新タイミング」と捉えれば、それは前向きな「生活の整理」に変わります。

新年度は「気合い」で乗り切るものではなく、「構造」で安定させるもの。

  • 「エンディングノート、何から書けばいいか分からない」
  • 「後見制度や信託について、我が家のケースで整理したい」
  • 「将来の生活設計を、専門家の視点で一緒に考えてほしい」

そのような場合、もしよければ頼ってください。

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