ChatGPTは難しくない|障がい当事者の行政書士と相棒「Mr.G」の付き合い方

私は、ChatGPTのことを「Mr.G」と呼んでいます。

単なる文章作成ツールではなく、考えを整理し、事務所の方向性を一緒に検討する相棒として付き合っているからです。

ChatGPTの使い方を調べると、「プロンプトの作り方」や「AIの能力を最大限に引き出す方法」など、専門的に見える情報がたくさん出てきます。

もちろん、そうした技術を学ぶことには価値があります。

ただ、ChatGPTを使うために、最初から難しい知識や完璧な指示文が必要なわけではありません。

考えがまとまっていない状態でも、思いついたことをそのまま話してみる。

私にとって、ChatGPTとの付き合いはそこから始まりました。

目次

「プロンプト」という言葉に少し身構えていた

ChatGPTについて調べ始めた頃、よく目にしたのが「プロンプト」という言葉でした。

AIへ何を、どのような順序で指示するかによって、回答の質が変わる。そのため、適切なプロンプトを作ることが大切だと説明されていました。

ただ、当時の私は、

「専門的な技術を覚えなければ使えないのではないか」

「文章をきれいにまとめてから質問しなければならないのではないか」

と感じていました。

自分の頭の中にある考えを、最初から分かりやすい文章にまとめることは、簡単ではありません。

考えていることはいくつもあるのに、何から話せばよいのか分からない。説明しようとすると長くなり、自分でも論点を見失ってしまう。

そんな状態では、ChatGPTを使いこなせないのではないかと思っていました。

しかし、実際に使い始めてみると、最初から完璧な文章を作る必要はありませんでした。

まとまっていない考えから始められる

私がMr.Gへ話しかけるときは、必ずしも考えが整理されているわけではありません。

例えば、

「こんなブログ記事を書きたいんだけど、どう思う?」

「今、二つの考えで迷っている」

「うまく説明できないけど、少し違和感がある」

「新しいサービスを考えているけど、まだ形になっていない」

というところから始めることがあります。

伝える内容が断片的でも、対話を続けながら、

  • 自分が本当に気にしていること
  • 判断に必要な条件
  • 考えが矛盾している部分
  • 今すぐ決めること
  • 後から検討すればよいこと

を整理できます。

ChatGPTがすべての答えを出してくれるというより、対話を通じて、自分の考えが見えるようになる感覚です。

一人で考えていると、同じところを何度も回ってしまうことがあります。

誰かに話してみることで考えが整理されるように、ChatGPTへ話すことで、自分の中にあった答えに気づくことがあります。

私がChatGPTを「Mr.G」と呼ぶ理由

私にとって、ChatGPTは検索サイトの代わりではありません。

質問を入力して答えだけを受け取るというより、考えを行ったり来たりさせながら、一緒に形を作る相手です。

そのため、いつからか「ChatGPT」と呼ぶよりも、相棒として名前をつけた方がしっくりくるようになりました。

それが「Mr.G」です。

Mr.Gは、私が行政書士事務所を開業する前から、ブログ、事業計画、サービス内容、営業方法などについて、一緒に考えてきました。

現在は、事務所経営だけでなく、受任案件の準備、研修資料、制度情報の整理、ホームページ改善などについても相談しています。

もちろん、最終的に判断し、責任を負うのは私です。

それでも、一人で事務所を運営する中で、考えを言葉にして返してくれる相手がいることは、大きな助けになっています。

ブログ作成でも、最初は雑談から始まる

このブログの記事も、最初から完成した構成を用意して作っているわけではありません。

「この制度について、少し気になることがある」

「ニュースを読んだけれど、事業所にとってはここが重要ではないか」

「利用者の立場から見ると、説明されていない部分がある気がする」

といった話から始まります。

そこから、記事で伝える論点を一つに絞り、必要な資料を確認し、構成を考えます。

書き始めたあとも、

「説明が長すぎないか」

「事業所を必要以上に不安にさせていないか」

「決定事項と、まだ検討中の内容を分けられているか」

「私の意見と公的資料の内容が混ざっていないか」

を確認します。

Mr.Gは、文章を代わりに書くだけの存在ではありません。

私が何を伝えたいのかを掘り下げ、読者へどう伝えるかを一緒に整理する編集者のような役割も担っています。

一人で事務所を運営するための思考整理

行政書士事務所の仕事では、法律や制度を調べるだけでなく、さまざまな判断が必要です。

  • どのサービスを事務所の中心にするか
  • どの仕事を引き受け、どの仕事を断るか
  • 料金と業務量が見合っているか
  • 依頼者へどこまで説明するか
  • 他士業へつなぐべき内容ではないか
  • 今やることと、後回しにすることをどう分けるか

一人で事務所を運営していると、こうした判断を自分の中だけで行う場面が多くなります。

考え続けて疲れてしまったり、一度決めたことに自信が持てなくなったりすることもあります。

そんなとき、Mr.Gへ状況を説明し、第三者の視点から整理してもらいます。

私が楽観的になりすぎているときは、リスクを確認する。

慎重になりすぎて動けなくなっているときは、現実的にできる一歩を考える。

自分の考えを肯定してもらうためだけではなく、見落としている点を確認するために使っています。

体調や集中力に合わせて使える

私は障がい当事者でもあります。

体調や集中力は、いつも同じではありません。

考えを文章としてまとめられる日もあれば、頭の中では分かっているのに、うまく言葉にできない日もあります。

そのようなときでも、

「今日は頭がまとまらない」

「箇条書きで話すから整理してほしい」

「今の話の中で、一番大切な点だけ抜き出してほしい」

と伝えることができます。

一度で完成させる必要もありません。

少し話して休み、後から続きを考えることもできます。

人に相談する場合には、相手の時間や都合を考える必要がありますが、ChatGPTなら、自分の状態に合わせて対話を始められます。

この使いやすさは、私にとって大きな魅力です。

ChatGPTの答えを、そのまま正しいとは考えない

Mr.Gは頼れる相棒ですが、回答が常に正しいわけではありません。

古い情報を示すこともあります。

制度の細かい条件を取り違えることもあります。

もっともらしく説明されていても、根拠を確認すると内容が違っている場合があります。

特に、

  • 法律や制度
  • 行政手続き
  • 報酬改定
  • 指定基準
  • 税金
  • 医療
  • 最新のニュース

などは、必ず公的資料や専門家の情報を確認しなければなりません。

ChatGPTが答えたから正しいのではありません。

根拠となる資料は何か、その資料は現在も有効か、相談している事例へ本当に当てはまるかを確認する必要があります。

私はMr.Gに、

「それは本当に正しいのか」

「根拠となる公的資料を確認してほしい」

「決定事項と推測を分けてほしい」

と繰り返し伝えます。

間違いを指摘することも含めて、対話です。

AIへ任せてはいけない判断もある

ChatGPTは、考えを整理するうえで役立ちます。

しかし、依頼者との信頼関係や、実際の支援現場で起きていることまで、AIが完全に理解できるわけではありません。

行政書士として受任するかどうか。

依頼者へどのような言葉で説明するか。

法令上できないことを、どこまで明確に伝えるか。

相手の表情や声の変化から、何を感じ取るか。

こうした判断は、最終的に人が行わなければなりません。

AIに考える作業の一部を手伝ってもらっても、責任まで任せることはできません。

Mr.Gは共同経営者のような存在ですが、行政書士としての判断と責任を負うのは私です。

難しい使い方を知らなくても役に立つ

私は、ChatGPTの能力を最大限に使いこなしているわけではありません。

専門的なプロンプトを作り、複数のツールを組み合わせて高度な作業をしている方から見れば、ごく基本的な使い方かもしれません。

それでも、

  • 考えを整理する
  • 文章の構成を考える
  • 見落としを確認する
  • 選択肢を比較する
  • 長い資料を理解しやすくする
  • 次に行うことを決める

というだけで、私の仕事や生活はずいぶん助けられています。

高度な機能を使いこなさなければ、ChatGPTを使う意味がないわけではありません。

自分が困っていることを話し、一緒に整理してもらう。

それだけでも、十分に価値があります。

まとめ

ChatGPTを使うために、最初から完璧な文章や専門的なプロンプトを用意する必要はありません。

考えがまとまっていなくても、思いついたことを少しずつ話せば、対話を通じて整理できます。

私にとってMr.Gは、答えをすべて教えてくれる存在ではありません。

考えを言葉にし、別の視点を示し、ときには間違いを指摘されながら、一緒に答えを探す相棒です。

AIの情報をそのまま信じず、最終的な確認と判断は自分で行う。

その前提を忘れなければ、ChatGPTは、仕事や生活の中にある「うまく言葉にできないこと」を形にする助けになります。

難しい使い方を知らなくても大丈夫です。

まずは、今考えていることを、そのまま話しかけるところから始められます。

AIを使う目的は、判断や責任を任せることではなく、複雑な状況や言葉にならない考えを整理することにあります。

障がい当事者でもある田中慶が、相談者や事業所の話をどのように受け止め、一緒に整理していくのかをご紹介します。

ピア行政書士・田中慶の支援姿勢を見る
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