療育手帳をお持ちの方やご家族からは、
- 療育手帳は何年ごとに更新するのか
- 手帳に書かれている「次回判定年月」とは何か
- 再判定の時期を過ぎたら、手帳は使えなくなるのか
- 18歳になったら、手続きは変わるのか
- 更新や再判定を忘れた場合はどうすればよいのか
といった疑問をよく聞きます。
療育手帳は、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳とは異なり、全国一律の法律に基づいて同じ運用が行われている制度ではありません。
国の制度要綱をもとに、都道府県や指定都市がそれぞれ判定基準や手続方法を定めて運用しています。そのため、再判定の時期や申請方法、必要書類などは、お住まいの自治体によって異なります。
この記事では、療育手帳の再判定に関する全国共通の基本的な考え方と、大阪市・大阪府の取扱いを例に、確認しておきたいポイントを整理します。
療育手帳の再判定は原則として2年ごと
国が定めた療育手帳制度要綱では、療育手帳の交付後、障害の程度を確認するため、原則として2年ごとに再判定を行うとされています。
ただし、すべての方が必ず2年ごとに再判定を受けるとは限りません。
国の通知では、障害の状況からみて、2年を超える期間の後に確認しても差し支えないと認められる場合には、2年より先の時期を指定できるとされています。
そのため、実際の再判定時期は、
- 年齢
- 障害の状況
- 前回の判定結果
- 今後、障害の程度が変化する可能性
- 自治体の運用
などを踏まえて、個別に指定されます。
インターネット上では「2年ごと」「3年ごと」「5年ごと」といった情報が見られますが、最も確実なのは、自分の療育手帳に記載されている次回判定年月を確認することです。
「更新」ではなく「再判定」と呼ばれることが多い
療育手帳では、一般的に「更新」という言葉が使われることもありますが、制度上は、障害の程度を改めて確認するための「再判定」が中心になります。
療育手帳の交付後も、障害の程度を確認する必要があるため、次の判定年月が指定されます。
再判定では、知的障害の程度や生活状況などを確認し、その結果に基づいて、手帳の障害程度や次回判定時期が決められます。
単に古い手帳を新しい手帳へ取り替えるだけの手続きではない点に注意が必要です。
まず手帳の「次回判定年月」を確認する
再判定の時期を確認するときは、療育手帳に記載されている、
次回判定年月
次の判定年月
再判定年月
などの欄を確認してください。
表記は自治体によって異なる場合があります。
大阪府では、障害の程度が変わることがあるため、次の判定年月を設定し、その時期が来たときに更新手続きを行うと案内しています。
大阪市も、療育手帳の交付時に次回の判定時期が指定されると案内しています。
「一般的には何年ごとか」だけで判断せず、手帳に記載された時期を基準に手続きを進めましょう。
再判定の時期を過ぎると、すぐに手帳が失効する?
再判定の時期を過ぎた場合の取扱いは、全国一律ではありません。
療育手帳制度は自治体ごとに運用されているため、
- 再判定時期を過ぎた手帳の扱い
- 各種割引や助成制度を利用できるか
- 再判定中の手帳提示が認められるか
- 改めて申請が必要になるか
などは、交付した自治体や、利用しようとする制度・サービスによって異なる可能性があります。
そのため、
期限を過ぎても必ず使える
期限を過ぎた瞬間にすべて無効になる
と一律に判断することはできません。
再判定時期を過ぎていることに気づいた場合は、手帳を交付した自治体の障がい福祉担当窓口へ、できるだけ早く連絡してください。
再判定を受けていない期間に注意したいこと
療育手帳は、各種の福祉制度や割引制度などを利用しやすくするための手帳です。
国の通知では、療育手帳の活用例として、
- 特別児童扶養手当
- 心身障害者扶養共済
- 国税・地方税の控除や減免
- 公営住宅の優先入居
- NHK受信料の免除
- 旅客運賃の割引
などが挙げられています。
ただし、これらの制度が、再判定時期を過ぎたことだけを理由に一律で利用できなくなるわけではありません。
制度ごとに、
- 手帳の提示が必要か
- 判定年月の確認を受けるか
- 別途診断書が必要か
- 所得や障害程度など他の要件があるか
が異なります。
再判定時期を過ぎている場合は、療育手帳の担当窓口だけでなく、現在利用している制度の担当部署にも確認することが大切です。
大阪市では18歳未満と18歳以上で窓口が異なる
大阪市では、療育手帳の再判定について、年齢によって手続き先が分かれています。
- 18歳未満:大阪市こども相談センター
- 18歳以上:各区保健福祉センター福祉業務担当
大阪市の案内では、療育手帳が交付されるときに次回判定時期が指定され、その時期に再判定の手続きを行うこととされています。
18歳になることによって療育手帳が自動的に使えなくなるわけではありません。
ただし、児童を対象とする判定機関から、成人を対象とする窓口や判定機関へ担当が変わるため、手続き先を間違えないよう注意が必要です。
大阪府でも次回判定年月に応じて更新する
大阪府では、療育手帳に障害の程度が記載され、障害の程度が変わることがあるため、次の判定年月が設定されます。
その時期が来た場合は、更新手続きを行うこととされています。
大阪府の療育手帳の更新申請先は、原則として居住地の福祉事務所または町村の障がい福祉担当課です。
なお、大阪市や堺市などの指定都市は、それぞれ独自に療育手帳制度を運用しているため、大阪府の窓口ではなく、居住地の市の案内を確認してください。
再判定の手続きはいつから始める?
再判定の受付開始時期も自治体によって異なります。
「次回判定年月の何か月前から申請できる」という全国共通のルールはありません。
次回判定年月が近づいてきたら、
- 療育手帳に記載された年月を確認する
- 自治体のウェブサイトを確認する
- 障がい福祉担当窓口へ連絡する
- 必要書類と判定予約の有無を確認する
という順で進めましょう。
判定機関の予約状況によっては、実際の判定まで時間がかかることもあります。直前になって慌てないよう、早めに窓口へ確認することが大切です。
一般的に確認が必要となるもの
療育手帳の再判定や更新で必要となるものは自治体ごとに異なりますが、一般的には次のようなものを確認します。
- 現在持っている療育手帳
- 申請書
- 本人の写真
- 本人確認書類
- マイナンバー関係書類
- 印鑑
- 医療機関や学校、福祉事業所からの資料
- 日常生活や支援状況が分かる資料
すべての自治体で同じ書類が必要になるわけではありません。
診断書が必要かどうか、写真の大きさ、本人の来所が必要かどうかなども、必ず事前に確認してください。
18歳の再判定で確認しておきたいこと
18歳前後は、療育手帳の判定機関や福祉制度の窓口が変わることがあります。
ただし、
18歳になれば必ず療育手帳を更新する
18歳の再判定を最後に、その後は永久に更新不要になる
という全国共通のルールはありません。
実際の再判定時期は、療育手帳に記載された次回判定年月や自治体の運用に従います。
18歳前後では、療育手帳の再判定だけでなく、
- 障害福祉サービス
- 障害年金
- 特別児童扶養手当の終了
- 特別障害者手当
- 就労支援
- 成年後見制度
- 親なきあとへの備え
など、利用できる制度や手続きが変わる可能性があります。
療育手帳の更新だけを単独で考えず、成人後の生活全体を見ながら、必要な制度を整理することが重要です。
引っ越した場合は手続き先を確認する
都道府県や指定都市をまたいで引っ越した場合は、住所変更の手続きに加えて、療育手帳の取扱いを確認する必要があります。
療育手帳は自治体ごとに障害程度の区分や運用が異なるため、転入先で改めて判定を求められる場合があります。
引っ越したからといって、自己判断で旧自治体の手帳を返却したり、新規申請をしたりせず、まず転入先の障がい福祉担当窓口へ相談してください。
再判定時期を過ぎた場合の対応
療育手帳に記載された再判定時期を過ぎていることに気づいたら、次の順で対応しましょう。
1.手帳を交付した自治体へ連絡する
まず、現在住んでいる自治体の障がい福祉担当窓口へ連絡します。
2.再判定の申請方法を確認する
申請書、必要書類、写真、判定予約などを確認します。
3.利用中の制度への影響を確認する
手帳を使っている割引、手当、税控除、福祉制度などについて、個別に取扱いを確認します。
4.自治体の指示に従って再判定を受ける
自己判断で「もう更新できない」「一から取得し直さなければならない」と決めつけず、窓口の案内に従ってください。
よくある質問
Q1.療育手帳は必ず2年ごとに更新しますか?
国の制度要綱では原則2年ごとの再判定とされています。
ただし、本人の障害の状況や自治体の運用によって、2年を超える時期が指定される場合があります。手帳に記載された次回判定年月を確認してください。
Q2.療育手帳には年齢制限がありますか?
療育手帳は、18歳になったことだけを理由に終了する制度ではありません。
18歳未満と18歳以上では判定機関や手続き窓口が変わることがありますが、成人後も対象要件を満たせば療育手帳は交付されます。
Q3.再判定時期を過ぎると手帳は無効になりますか?
期限を過ぎた場合の取扱いは、全国一律ではありません。
自治体や利用する制度によって異なるため、交付自治体と各制度の担当窓口へ確認してください。
Q4.更新手続きには診断書が必要ですか?
必要書類は自治体や判定の状況によって異なります。
診断書が不要な場合もあれば、医療機関や学校などの資料を求められる場合もあります。事前に自治体へ確認してください。
Q5.本人が窓口や判定機関へ行く必要がありますか?
再判定では本人の状態を確認するため、本人の来所を求められることがあります。
来所が難しい事情がある場合は、予約時に自治体へ相談してください。
まとめ
療育手帳の再判定は、国の制度上、原則として2年ごととされています。
ただし、実際の時期は、本人の障害の状況や自治体の運用によって異なります。
最も大切なのは、一般的な年数だけで判断せず、
- 療育手帳の次回判定年月
- 居住自治体の案内
- 再判定の申請先
- 必要書類
- 現在利用している制度への影響
を確認することです。
再判定時期を過ぎた場合も、自己判断で諦めたり放置したりせず、自治体の障がい福祉担当窓口へ早めに相談してください。
療育手帳は、知的障害のある方が必要な支援や制度を利用しやすくするための大切な手帳です。
更新や再判定を単なる事務手続きとして考えるのではなく、現在の生活状況や今後必要となる支援を見直す機会として活用することが大切です。
