ここ数年、就労継続支援A型事業所の閉鎖や撤退のニュースを耳にすることが増えました。 制度の厳格化、経営改善のプレッシャー、そして物価高騰。確かに数字上の要因はいくつも挙げられます。
しかし、制度や数字だけでは説明しきれない部分があるようにも感じます。 多くの現場を歩き、経営者の方々の声を聞いてきた中で、私には、もう一つの、より根本的な原因があるように見えてなりません。 それは、**「経営者の孤立」**です。
「支援」と「経営」の板挟みという孤独
A型の経営は、福祉の中でも特異な難しさがあります。 「利用者さんの豊かな生活を守る支援者」としての顔と、「雇用契約を結び、賃金を支払い、利益を出す経営者」としての顔。この二つの顔を、常に一人で使い分けなければなりません。
収益が上がらなければ、賃金が払えない。 でも、収益を優先しすぎれば、それは福祉ではなくなってしまう。
この矛盾した問いに日々向き合う中で、誰にも相談できず、「自分が頑張らなければ」「自分が判断を誤れば、みんなの生活が壊れる」と、一人で責任を抱え込んでしまう経営者の方は少なくありません。
孤立が「判断」を狂わせていく
人間は、孤立した状態で強いプレッシャーにさらされ続けると、判断の解像度が少しずつ下がっていきます。
- 「まだ大丈夫だ」という根拠のない楽観
- 「今さら誰にも言えない」という羞恥心
- 「とにかくこの場を凌がなければ」という短期的な思考
こうして、本来であれば早い段階で打てたはずの手立てが、孤独という霧の中で見失われてしまいます。A型事業所の閉鎖という結果は、経営能力の欠如ではなく、こうした「孤独な決断の限界」が招いた悲鳴であることも多いのです。
「外の目」を入れることは、弱さではない
経営の苦しさを誰かに話す。利害関係のない第三者に相談する。地域のネットワークに繋がる。 これらは、経営者としての「負け」ではありません。むしろ、利用者さんや職員を守り抜くための、最も重要な「経営戦略」です。
自事業所の外側に、異なる視点や相談できる場所を持っておくこと。 それだけで、孤独な霧は晴れ、冷静な判断の軸を取り戻すことができます。
最後に
もし今、あなたが暗い海を一人で漕いでいるような感覚に陥っているのなら。 どうか、その重荷を一人で背負い続けないでください。
閉鎖や撤退という極端な結論に至る前に、できることはまだあります。 まずは「今、少し苦しい」と、信頼できる誰かや、利害関係のない第三者に、一言漏らすところから始めてみませんか。
あなたの孤独を解きほぐすことが、事業所の未来を守る第一歩になると、私は信じています。
事業所運営や加算・開業について、
「これで合っているのか不安…」という段階でも大丈夫です。
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