こども性暴力防止法で整備したい書類とは?児発・放デイの報告ルール・記録様式・情報管理

目次

制度対応は「書類」に落とし込む段階へ

これまでの記事では、大阪市の報告期限、対象従事者の範囲、施行日までに整えておきたい体制、就業規則をめぐる士業の役割分担について整理してきました。

体制の中身が見えてくると、次に必要になるのが「実際にどのような書類や様式を整えておくか」という段階です。

今回は、児童発達支援・放課後等デイサービス等の事業所で、施行に向けて整理しておきたい書類を具体的に見ていきます。

整備しておきたい主な書類

こども性暴力防止法対応で、事業所内で整えておきたい主な書類・様式には、次のようなものがあります。

書類・様式内容の目安
対象従事者整理表職員名簿をもとに、対象従事者に当たる可能性のある職員を整理した一覧
相談窓口・連絡先一覧こども・保護者・職員から相談を受ける窓口や連絡先を整理したもの
報告ルール疑いが生じた場合の報告先・報告方法を定めたもの
対応ルール報告を受けた後の初動対応、関係者への連絡、記録方法などを整理したもの
職員周知資料制度の概要、対象従事者、確認手続の流れ、事業所内ルールを説明する資料
研修記録実施日、研修内容、対象者、参加者などを記録する様式
保護者向け周知文制度の趣旨と事業所の取組みを保護者へ伝える案内文
情報管理規程犯罪事実確認等に関する情報の取扱いを定める規程
取扱記録関係情報を誰が、いつ、どのように取り扱ったかを記録する様式

これらは、施行日が近づいてから慌てて作るより、今のうちに一つずつ形にしておく方が、後の負担を抑えやすくなります。

それぞれの書類がつながっている

これらの書類は、それぞれ独立して存在するものではありません。

一連の流れとしてつながっています。

まず、対象従事者整理表で「誰が対象になり得るのか」を確認します。

そのうえで、職員周知資料を使って制度や事業所内ルールを職員へ伝え、研修記録として実施状況を残します。

また、相談窓口・連絡先一覧、報告ルール、対応ルールを整えることで、実際に相談や疑いが生じた場合の動き方を明確にします。

さらに、情報管理規程や取扱記録によって、犯罪事実確認等に関する情報をどのように管理するかを整理します。

保護者向け周知文は、こうした事業所の取組みを保護者に伝える役割を持ちます。

この一連の流れを意識して整理すると、書類同士に矛盾が生じにくくなります。

自事業所での整え方

書類を整える場合、次のような順番で進めると整理しやすくなります。

・まず対象従事者整理表で、自事業所の対象範囲を確認する
・相談窓口、報告ルール、対応ルールを、既存の事故対応フローや虐待防止体制なども踏まえて整理する
・職員周知資料、研修記録、保護者向け周知文を、事業所の実情に合わせて作成する
・情報管理規程や取扱記録は、こども家庭庁が公表しているひな型も参考にしながら整理する

複数の事業所を運営している法人では、法人共通の様式と、事業所ごとに調整する部分を分けて整理しておくと、管理がしやすくなります。

既存の書類と重複しないように整理する

児発・放デイ等の事業所では、すでに虐待防止、身体拘束適正化、事故対応、苦情解決、個人情報保護などの体制や書類を整えている場合があります。

こども性暴力防止法対応の書類を新しく作るときは、既存の書類と内容が重複したり、報告ルートが食い違ったりしないように注意が必要です。

新しい書類を増やすこと自体が目的ではありません。

既存の体制と整合する形で、必要な書類や記録を整理することが重要です。

まとめ

こども性暴力防止法対応では、体制の考え方を整理するだけでなく、報告ルール、対応ルール、記録様式、情報管理規程といった具体的な書類に落とし込んでいく必要があります。

その際には、こども家庭庁が公表しているひな型等を参考にしつつ、自事業所の実情に合わせて整理することが大切です。

行政書士田中慶事務所では、こうした書類について、事業所の状況をお伺いしたうえで、実情に合わせて整理・作成するお手伝いをしています。

「うちの事業所用に整えてほしい」という段階からでも、ご相談いただけます。

次回は、今回も触れた情報管理規程について、性犯罪前科等の情報をどう扱うべきかを詳しく解説します。

こども性暴力防止法・大阪市対応シリーズ

大阪市の児童発達支援・放課後等デイサービス等の事業所様向けに、こども性暴力防止法への対応をシリーズで整理しています。

  1. 大阪市の児発・放デイは7月15日までに対応を|こども性暴力防止法とGビズID報告の実務整理
  2. こども性暴力防止法で対象となる従事者は誰?児発・放デイで確認すべき職種と考え方
  3. こども性暴力防止法は7月15日の報告だけで終わりではない|児発・放デイが整えるべき体制とは
  4. こども性暴力防止法と就業規則|行政書士・社労士・弁護士の役割分担
  5. こども性暴力防止法で整備したい書類とは?児発・放デイの報告ルール・記録様式・情報管理(この記事)

※続きの記事は、公開後に順次追加します。

こども性暴力防止法対応の書類整備でお困りの事業所様へ

行政書士田中慶事務所では、大阪市内の児童発達支援・放課後等デイサービス等の事業所様向けに、こども性暴力防止法の施行に向けた書類整備をサポートしています。

対象従事者整理表、相談窓口・連絡先一覧、報告ルール、対応ルール、職員周知資料、研修記録、保護者向け周知文、情報管理ルール、取扱記録など、事業所の実情に合わせて必要な書類を整理します。

既存の虐待防止、事故対応、苦情解決、個人情報保護などの体制とも整合するように、増やすだけの書類ではなく、現場で使える形に整えることを大切にしています。

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一度、外部の視点で確認すると、「記録として足りない部分」と「今のままでよい部分」が整理しやすくなります。

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