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【2025年最新版】就労継続支援A型・B型で注意すべき「減算」の落とし穴

目次

要点まとめ

  • 「減算」は加算とは逆に、報酬が減らされる仕組み。監査・実地指導で発覚すると、過去分まで遡って返還が発生することもあります。
  • 特に注意すべき代表的な減算は以下の5つ:
    ①人員配置(職員欠如)、②サービス管理責任者不在、③定員超過利用、④個別支援計画未作成、⑤身体拘束廃止未実施。
  • 令和6年度(2024年度)報酬改定で「身体拘束廃止未実施減算」が強化され、新たなリスクとなっています。

減算とは?

減算とは、指定基準(人員・運営・計画)が満たされていない場合に、基本報酬を一定割合で減額する制度です。

重要なのは次の2点です。

  • いつから減算されるのか(適用開始時期)」
  • どれくらい減らされるのか(減算率)」

知らないうちに適用され、数百万円単位の返還が求められるケースも少なくありません。

1)人員配置に関する減算(サービス提供職員欠如)

何が起きるか

  • 職種や人数が基準を下回ると、利用者全員分の報酬が減算対象になります。

適用タイミングと割合

  • 欠員が 1割超 → 翌月から 30%減算(70%算定)
  • 欠員が 1割以内 → 翌々月から減算
  • 3か月以上続くと50%減算(半額)

注意ポイント

退職・育休・長期病休など突発的に起こるため、常勤換算の定期チェックと、代替人員の確保計画が必須です。

2)サービス管理責任者(サビ管)欠如減算

何が起きるか

  • サビ管が不在になると、利用者全員分が減算対象に。

適用タイミングと割合

  • 不在が発生 → 翌々月から 30%減算(70%算定)
  • 不在が5か月以上続く → 50%減算

補足

自治体によっては「猶予措置」や「代替要件」の扱いあり。
不在が分かったらすぐに自治体へ相談・報告してください。

3)定員超過利用減算

何が起きるか

  • 1日単位または3か月平均で定員を超過すると減算対象。

判定基準(代表例)

  • 定員50人以下 → 定員の150%超で当日分減算
  • 定員51人以上 → 定員+(定員-50)×25%+25 が上限値
  • 過去3か月平均 → 定員×開所日数×125%超で翌月から減算

減算率

  • 通常は 30%減算(70%算定)

対策

  • 稼働率アップは大事ですが、々の出欠管理と自動集計を徹底して定員超過を防ぐ必要があります。

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4)個別支援計画未作成減算

何が起きるか

  • 計画未作成のままサービス提供すると、その利用者分の報酬が減算されます。

適用タイミングと割合

  • 未作成と判定された月から減算
  • 1〜2か月目 → 30%減算
  • 3か月目以降 → 50%減算

実務ポイント

  • 契約後 1か月以内に必ず作成が基本。
  • 定期的なモニタリング・記録更新も忘れずに。

5)身体拘束廃止未実施減算【令和6年度改定で強化】

何が起きるか

  • 身体拘束に関する運営基準を守らず、適正手続き・記録をしていないと減算対象。

減算率(2024年度改定後)

  • 基本:1日あたり 5単位減算
  • 重度ケース:10%または1%減算(条件で変動)

重要ポイント

  • 令和6年度改定で大幅に厳格化。
  • 身体拘束は原則禁止。やむを得ない場合でも、記録・委員会審議・同意が必須です。

減算が見つかったときの実務フロー

  1. 事実確認:いつから、誰に、どの程度の不備があったか整理
  2. 資料保全:出勤簿・計画作成記録・出欠簿・身体拘束関連記録など確保
  3. 自治体へ相談:猶予・特例がある場合もあるため即報告
  4. 改善計画:人員補充、記録整備、研修実施など
  5. 監査・返還対応:必要なら行政書士・社労士の専門支援を検討

すぐ使えるチェックリスト(管理者向け)

✅毎月の常勤換算を確認(欠員アラート設定)

✅サビ管の研修要件・代替プランを事前準備

✅個別支援計画は契約後1か月以内に作成・定期更新

✅定員超過を防ぐための出欠管理システムを導入

✅身体拘束委員会・指針・記録フォーマットを整備

✅短時間利用・工賃向上計画のリスクを毎期点検

まとめ(行政書士からのメッセージ)

「減算」は、知らなかったでは済まされない大きなリスクです。
特に令和6年度改定で強化された「身体拘束廃止未実施減算」は、まだ多くの事業所が十分に対応できていない分野です。

日々の小さな運用チェックが、数百万円規模の返還リスクを防ぐ最大の保険になります。

まずは今日できることから始めましょう。

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📝 この記事を書いた人
行政書士 田中慶

私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。

「制度はわかったけど、うちの場合はどうすればいいの?」
「現場の実際を知りたい」

そんな“制度と現実の間”で迷っている方の相談相手として、利用者側と支援者側、両方の視点を持つピア行政書士として、一緒に最適な道を探します。

参考資料

  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」関連通知
  • 厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」
  • 各自治体の加算・減算運用通知
  • 「身体的拘束等の適正化」関連資料

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