この記事を書いた人
障がい福祉事業所の「個別支援計画」「記録体制」「面談スキル」に特化した伴走支援を行っています。
当事者視点 × 専門家のハイブリッドで“深い支援”をサポートするピア行政書士です。
はじめに
支援者の多くが抱えている悩みの一つが、
「面談で本音を言ってくれない」 こと。
- その場では「大丈夫です」と言う
- 家族から後日、全く違う話が出てくる
- 面談になると急に黙る
- 話しても“表面的なことだけ”
- 本人の希望が見えないまま計画だけが進む
実はこれ、
支援者の“話し方”の問題ではありません。
ほとんどの場合、
“面談前の準備”に抜けがあるだけ です。
この記事では、
支援者が気づきにくい
「本音が出ない3つの準備不足」 を紹介します。
❶ 本音が引き出せない理由は“面談中”ではなく“面談前”にある
① 本人の“安全な話し場所”が整っていない本人が本音を話せない最大の原因は、
「ここで何を話せばいいのか分からない」
「話しても大丈夫なのか分からない」
という 心理的安全の欠如。
- 面談の目的
- 話してはいけないことはない
- 否定される場ではない
- 本人の立場が守られる
- 家族の圧の影響は分離される
この前提説明が抜けていると、
本音は絶対に出てきません。
② “事前の情報整理”が浅いまま面談に入っている
本音を引き出すには、
- 最近の変化
- 記録
- 活動参加の状況
- 家族からの情報
- 相談支援からの情報
- 本人の選択や拒否の傾向
最低限これらを整理した状態で
面談に入る必要があります。
準備が浅いと、
面談は 「とりあえず質問する場」 になってしまい、
本人の本音には到達しません。
③ 質問が“オープン”ではなく“誘導的”になっている
よくあるのがこれ。
×「困っていることないですよね?」
×「今のままで大丈夫?」
×「続けられそう?」
これでは本音は出ません。
本音を引き出す質問は
“本人の行動・選択” を起点にした質問。
例:
- 「最近、選んだ活動で嬉しかったことは?」
- 「やりにくかった場面はどんなとき?」
- 「もう少しこうしたいと思った瞬間は?」
行動の裏側には本音がある。
そこに触れるのが本質です。
❷ 今日からできる“改善”
① 面談の最初の1分で「守られる場」であることを明言する
・否定しない
・何を言ってもOK
・支援のための時間
これを“言語化”するだけで、
本音の出る確率が跳ね上がる。
② 面談前に“3つの事実”だけ整理する
- どんな行動が増えたか
- どんな行動が減ったか
- 本人が選んだこと・拒否したこと
この3つだけで十分。
③ 「はい/いいえ」で終わらない質問を1つだけ用意する
例:
「最近、自分で“変わったな”と思ったことってある?」
この1問だけでも面談は変わる。
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❸ 本音面談の鍵は“構造(準備)”にある
本音が出ない理由は、
支援者のコミュニケーション技術ではなく、
- 面談の目的の明確化
- 情報整理の深さ
- 質問の設計
- 本人理解のレベル
- 心理的安全性の確保
- 記録の接続性
こうした “面談設計の構造” が弱いから。
構造を整えずに面談だけ頑張っても、
成果は出ません。
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無料相談では、次のような“本音が出ない原因”を特定できます。
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「スマイルジョブ診断」は、弊所(行政書士田中慶事務所)が独自に行っている、 障がい福祉事業所向けの診断サービスです。
制度上の研修や行政指導とは別に、第三者の立場から「利用者さんの支援の質」を一緒に整理することを目的としています。
主にこんな内容を行います:
- 利用者アンケートの実施(満足度・不安・希望のヒアリング)
- 支援記録・個別支援計画のチェック
- 面談や日中活動の様子のヒアリング・観察
- 支援観のズレや「本音が出にくい場面」の整理
これらをもとに、「なぜ本音が出ないのか」「どこを整えれば支援が前に進むのか」をレポートにまとめてお渡しします。
「職員の頑張り」ではなく、“仕組み” と “関わり方” を見直すためのツールとしてご利用いただけるサービスです。
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私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。
「現場の実際を知りたい」
そんな“制度と現実の間”で迷っている方の相談相手として、利用者側と支援者側、両方の視点を持つピア行政書士として、一緒に最適な道を探します。

