この記事を書いた人
障がい福祉事業所の「記録体制」「業務フロー」「リスク管理」に特化した伴走支援を行っています。
当事者視点と現場理解をあわせ持つ“ピア行政書士”として、支援者に寄り添った実践的改善を大切にしています。
はじめに
同じようなインシデントが、
“何度も繰り返されてしまう” ことはありませんか?
- 共有したはずの情報が現場に届いていない
- 記録が浅く、次につながらない
- 支援員ごとに対応がバラバラ
- その場では改善したように見えるけど再発する
- 本質的な理由が分からないまま「ヒヤリ」が続く
- 行政指導で“再発防止策の甘さ”を指摘される
実は、インシデントの再発は、
“現場の注意不足”ではなく“構造の問題” であることがほとんど。
この記事では、
インシデントが繰り返されるときに起こっている
“負の連鎖”の正体 を分かりやすく解説します。
❶ インシデントが繰り返される“負の連鎖”3つ
① 記録が浅く、情報が“伝言ゲーム化”している
インシデントは、
「事実が共有されない」ことで再発 します。
よくあるのが、
- “こうだったらしい”
- “多分こうだと思う”
- “前も似たようなことがあった気がする”
という曖昧な共有。
事実 → 支援 → 結果
の3要素が記録にないと、
再発防止策もピントがずらされる。
そしてズレたまま現場に降りるため、
また同じことが起きてしまう。
② 支援フローが人によって違う(属人化)
インシデント現場で最も多いのがこれ。
- ベテランの独自ルール
- 支援員ごとの対応差
- 書類の扱い方の違い
- 申し送りの“口頭頼み”
- マニュアルはあるけど誰も見ていない
属人化があると
どれだけ注意しても必ず“抜け”が出る。
インシデント再発は、
支援員個人の問題ではなく、
仕組みの不統一による必然的な結果。
③ 「インシデント=個人のミス」の空気が残っている
インシデントは本来、
組織で共有し、構造から改善する出来事。
しかし現場では、
- どこか“責任追及の空気”がある
- 報告しづらい雰囲気
- 小さなヒヤリが共有されない
- “たまたま”で片付けられる
- 再発防止策が“気合い”に寄りがち
こうした空気が続くと、
インシデントは必ず再発します。
❷ 今日からできる“改善”
① インシデントの“事実だけ”を5行で書く
- 何が
- いつ
- どこで
- どう起きたか
- 当時の環境
原因分析はあとでOK。
最初は“事実の整理”だけで十分。
② その日のうちに“小さいヒヤリ”だけ共有する仕組みを作る
5分でできるレベルの共有でもOK。
大きな事故は、小さいヒヤリの積み重ね。
③ 同じ場所・同じ時間帯・同じ行動”をチェックする
再発の9割は“条件の再現”。
条件を抑えるだけでも改善の入口になる。
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❸ インシデント再発の正体は“構造の歪み”
再発の原因は、
- 記録の浅さ
- 支援フローの不統一
- 情報共有の弱さ
- 属人化
- 役割の曖昧さ
- 組織の空気感
こうした “構造”の歪み にあります。
現場の注意力だけでは
絶対に防ぎきれません。
外部視点で構造を整理すると
「なぜ繰り返されるのか」が一気に見えるようになります。
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私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。
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