大阪市・東大阪市のB型総量規制を解説|新規指定・定員増はいつから停止?

大阪市と東大阪市は、就労継続支援B型について、2026年8月から総量規制を実施します。

総量規制が始まると、対象期間中は、原則として新規指定や利用定員の増加が認められません。

ただし、大阪市と東大阪市では実施期間や例外的な取扱いの示し方が異なります。

この記事では、2026年7月31日時点の両市の公表内容をもとに、次の点を整理します。

  • 総量規制とは何か
  • 大阪市では何が停止されるのか
  • 東大阪市では何が停止されるのか
  • 既存事業所や開設予定者が確認すべきこと
  • 事業譲渡や従たる事業所はどう扱われるのか
目次

総量規制とは

障害者総合支援法では、一定の障害福祉サービスについて、地域の供給量が障害福祉計画上の必要量に達している場合や、指定によって計画の達成に支障が生じるおそれがある場合、自治体が新たな指定を行わないことができると定められています。

対象となり得るサービスには、生活介護、就労継続支援A型、就労継続支援B型があります。

総量規制は、既存事業所を一律に廃止したり、利用者の現在の利用を停止したりする制度ではありません。

新規指定や定員増を制限し、地域全体のサービス供給量を調整する仕組みです。

大阪市のB型総量規制

大阪市が総量規制の対象としたサービスは、就労継続支援B型です。

新規指定

大阪市では、2026年8月1日指定分から2027年7月1日指定分まで、B型事業所の新規指定を行いません。

したがって、総量規制の対象期間中に新しいB型事業所を開設しようとしても、原則として指定を受けることはできません。

定員増

利用定員の追加については、2026年7月1日変更分から2027年6月1日変更分まで、変更が認められません。

新規開設だけでなく、既存のB型事業所が定員を増やす場合も対象となる点に注意が必要です。

大阪市の事前協議案内でも、新規指定は2026年8月1日指定分から、定員増は2026年7月1日変更分から行わないことが明記されています。

大阪市が総量規制を実施する理由

大阪市は、第7期障がい福祉計画で定めた必要見込量に対して、B型の供給量が大幅に上回っていることを理由に挙げています。

公表資料によると、B型の供給量は、2025年12月時点の利用定員数をもとに算出して、月51万9,087日です。

一方、計画上の必要見込量は、

  • 2025年度:月27万9,997日
  • 2026年度:月33万4,047日

とされています。

大阪市は、適切な供給量を維持し、サービスの質を確保することを目的として総量規制を実施すると説明しています。

大阪市の総量規制は1年で必ず終了するとは限らない

大阪市が公表している現在の対象期間は約1年間ですが、期間終了後に必ず解除されるとは限りません。

大阪市は、総量規制を解除するか継続するかについて、毎年検証するとしています。

そのため、2027年7月以降の開設や定員増を予定している場合も、現在の終了予定日だけを前提に準備を進めるのではなく、今後の大阪市の公表を確認する必要があります。

東大阪市のB型総量規制

東大阪市も、就労継続支援B型を総量規制の対象としています。

対象期間は、2026年8月1日から2027年7月31日までです。

この期間中は、B型事業所の新規申請と、定員増を伴う変更申請が原則としてできません。

東大阪市は、翌年4月1日時点の状況によって、総量規制を延長する場合があるとしています。

大阪市と東大阪市の違い

両市とも、B型の新規指定と定員増を制限する点は共通しています。

ただし、公表されている期間の表し方や例外的な取扱いには違いがあります。

項目大阪市東大阪市
対象サービス就労継続支援B型就労継続支援B型
新規指定の停止2026年8月1日指定分から2026年8月1日から
定員増の停止2026年7月1日変更分から対象期間中
現在公表されている終了時期新規指定は2027年7月1日指定分まで2027年7月31日まで
期間終了後毎年、解除または継続を検証状況により延長の可能性あり
例外的取扱い個別に大阪市への確認が必要一部の取扱いを公式ページで明示

開設予定地によって手続や判断が異なるため、大阪府内であっても、他の自治体の取扱いをそのまま当てはめることはできません。

東大阪市で示されている例外的な取扱い

東大阪市は、総量規制期間中の取扱いについて、いくつかの例を公式ページで示しています。

事業譲渡や法人再編

吸収合併、会社分割、合併、事業譲渡などに伴う新規申請であっても、職員に変更がないなど、変更前後で実質的に継続して運営される場合は、総量規制の対象外とされます。

ただし、単に既存事業所を買い取れば必ず指定を受けられるという意味ではありません。

法人、職員、設備、利用者への支援、運営実態などを含めて、継続性が確認される必要があります。

従たる事業所の追加

定員の増加を伴わない従たる事業所の追加は可能とされています。

例えば、本体事業所の定員を減らし、その範囲内で従たる事業所へ定員を振り分ける場合などが想定されます。

多機能型事業所

B型と他の障害福祉サービスを多機能型で運営している場合、他サービスの定員を減らす変更が、結果としてB型の定員増につながることがあります。

このような場合は、希望する定員変更が認められない可能性があります。

地域共生社会に資する取組み

東大阪市長が、地域共生社会の実現に資する取組みであると認めた場合、総量規制の対象外となる可能性があります。

ただし、一般的な新規開設が広く対象外になる制度ではなく、個別の判断が必要です。

大阪市でも事業譲渡なら開設できるのか

東大阪市は例外的な取扱いを公式ページに明示していますが、大阪市の公表ページでは、東大阪市と同じ内容が一律に示されているわけではありません。

そのため、大阪市内で、

  • 既存法人からの事業譲渡
  • 法人の吸収合併や会社分割
  • 従たる事業所の追加
  • 多機能型事業所の定員変更
  • 既存事業所の移転

などを予定している場合は、自己判断で総量規制の対象外と考えず、事前に大阪市へ確認する必要があります。

既存事業所を引き継ぐ計画であっても、法人が変われば、原則として新規指定申請が必要となる場合があります。

契約を先に締結してから指定を受けられないことが判明すると、大きな損失につながるため、譲渡契約や物件契約より前の確認が重要です。

既存のB型事業所は営業を続けられるのか

総量規制は、既に指定を受けているB型事業所の営業を停止するものではありません。

現在の指定や利用定員の範囲内であれば、これまでどおりサービスを提供できます。

ただし、次のような変更を予定している場合は注意が必要です。

  • 利用定員を増やす
  • 従たる事業所を追加する
  • 多機能型の定員配分を変更する
  • 運営法人を変更する
  • 事業を譲渡する
  • 事業所を移転する
  • 休止中の事業を再開する

これらは、単純な届出だけで終わるとは限りません。

総量規制との関係だけでなく、新規指定に当たるのか、事前協議が必要か、人員・設備基準を満たすかを個別に確認する必要があります。

大阪市で新規開設を予定していた場合

大阪市では、2026年8月1日以降のB型の新規指定は、原則として行われません。

そのため、現在から大阪市内で新しいB型事業所を開設する計画を立てても、総量規制が解除または変更されない限り、指定時期を確定できません。

この段階で、

  • 長期間の物件賃貸借契約を結ぶ
  • 高額な内装工事を始める
  • 職員を採用する
  • 利用予定者を募集する
  • 開業日を告知する

ことには、大きなリスクがあります。

まず確認すべきなのは、物件や人員よりも、希望する自治体で指定申請を受け付けてもらえるかどうかです。

東大阪市で新規開設を予定していた場合

東大阪市でも、2026年8月1日以降の新規申請は原則としてできません。

現在公表されている対象期間は2027年7月31日までですが、状況によって延長される可能性があります。

また、事業譲渡などの例外的な取扱いに該当する可能性があっても、自動的に指定が認められるわけではありません。

取引や契約へ進む前に、具体的な計画を示して東大阪市へ確認する必要があります。

他の自治体ならB型を開設できるのか

大阪市と東大阪市が総量規制を実施していても、大阪府内のすべての自治体でB型を開設できないわけではありません。

一方で、他の自治体なら必ず指定を受けられるとも限りません。

自治体によっては、

  • 独自の事前協議
  • 指定前の相談
  • 地域ニーズの確認
  • 総量規制
  • 物件や設備に関する独自運用

などが設けられている場合があります。

開設地を変更する場合も、候補地を決める前に、指定権者の最新情報を確認する必要があります。

既存事業所が今確認しておきたいこと

既存事業所は、総量規制によって直ちに運営できなくなるわけではありません。

ただし、今後の事業計画に定員増や法人変更などが含まれている場合は、次の点を早めに整理しておく必要があります。

  • 現在の指定定員
  • 実際の利用者数と稼働状況
  • 定員増が本当に必要か
  • 従たる事業所を追加する予定があるか
  • 多機能型の定員配分を変更する予定があるか
  • 法人変更や事業譲渡の予定があるか
  • 自治体への事前確認が必要な手続は何か
  • 契約や費用負担が発生する前に確認できているか

総量規制の対象となるかどうかは、手続の名称だけでは判断できません。

計画している変更の内容を具体的に整理したうえで、指定権者へ確認することが重要です。

まとめ

大阪市と東大阪市では、就労継続支援B型について総量規制が実施されます。

大阪市では、

  • 新規指定は2026年8月1日指定分から
  • 定員増は2026年7月1日変更分から
  • 現在公表されている期間は約1年間
  • 期間終了後は解除または継続を毎年検証

とされています。

東大阪市では、

  • 対象期間は2026年8月1日から2027年7月31日まで
  • 新規申請と定員増を原則停止
  • 状況によって延長の可能性あり
  • 事業譲渡や従たる事業所などの一部取扱いを明示

とされています。

これからB型を開設する場合だけでなく、既存事業所が定員増、事業譲渡、法人変更、従たる事業所の追加などを予定している場合も、総量規制との関係を確認しなければなりません。

物件契約、事業譲渡契約、内装工事、採用などに着手する前に、指定権者へ具体的な計画を示して確認することが重要です。

※本記事は、2026年7月31日時点で大阪市および東大阪市が公表している情報をもとに作成しています。総量規制の期間や取扱いは今後変更される可能性があるため、実際に手続を行う際は各自治体の最新情報をご確認ください。

B型の開設・定員変更を進める前に、指定できるか確認できていますか?

総量規制の影響は、新規開設だけでなく、定員増、事業譲渡、法人変更、従たる事業所の追加などにも関係する場合があります。

行政書士田中慶事務所では、予定している手続や事業計画を整理し、指定権者への確認が必要な事項や今後の進め方を一緒に確認します。

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この記事を書いた人

大阪市を拠点に、障がい福祉事業所の記録・個別支援計画、運営書類、法定研修、制度対応などの整理と運用を支援する行政書士です。
自身の福祉サービス利用経験と福祉現場での経験を踏まえ、制度の内容を解説するだけでなく、事業所、ご本人、ご家族が「次に何を確認し、どう動けばよいか」を分かりやすく整理することを大切にしています。
本ブログでは、障がい福祉の制度改定、事業所運営、支援記録、個別支援計画、親なきあとに関する制度・法務などについて、現場で役立つ視点から発信しています。

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