【2026年最新版】大阪市・就労B型|処遇改善加算一本化後の落とし穴と実績報告の急所

目次

はじめに——「去年と同じやり方」は、もはや通用しません

2024年度(令和6年度)の報酬改定で断行された、処遇改善加算の「一本化」。旧3加算が統合され、「福祉・介護職員等処遇改善加算」という新しい制度が始まっています。

「移行期間があったから、うちは大丈夫」と思っている管理者様、ご注意ください。 キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲおよび職場環境等要件の整備に係る経過措置は、2026年3月末をもって終了しました。

2026年6月の今、あなたの事業所が算定している加算は、経過措置終了後の要件を本当にクリアしていますか? 要件を満たさないまま算定を続けていれば、単なるミスにとどまらず、加算の全部または一部の返還・取消しの対象となり得ます。


第1章:新制度への「完全移行」後、B型事業所が直面する現実

2025年4月から、加算区分はⅠ~Ⅳに一本化されました。そして2026年6月施行の改定により、障害福祉分野の加算区分はさらにⅠイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳへと見直されています。就労継続支援B型もこの見直しの対象です。

各区分の概要は次のとおりです。

加算Ⅰ・Ⅱ(上位区分):

賃金配分の基本は「経験・技能のある障害福祉人材への重点配分」ですが、事業所の判断による柔軟な職種間配分も認められています。上位区分の要件の核心は、経験・技能のある人材のうち1人以上が賃金改善後に年額460万円以上となること(キャリアパス要件Ⅳ)です。

加算Ⅲ・Ⅳ(標準区分):

キャリアパス要件の整備が必須です。

特に注意すべきは、旧ベースアップ等支援加算の感覚で算定を続けているケースです。現行のどの区分においても、職場環境等要件への適切な対応が求められます。要件の項目数・選択ルールは区分によって異なり、「昔からやっていること」を書き写すだけでは要件未充足とみなされる可能性があります。


第2章:大阪市の運営指導で指摘リスクが高い「3つの論点」

運営指導の実務上、指摘につながりやすい論点として、以下の3点が挙げられます。

就業規則・賃金規程・計画書の内容に矛盾がないか

届出書に記載した要件や賃金改善の内容と、就業規則・賃金規程の記載が食い違っていないか確認が必要です。

職場環境等要件(6区分・複数項目)の最新版対応

令和8年度は6区分28項目での整理となっています。区分ごとに「各区分から1つ以上(加算Ⅲ・Ⅳ)」「2つ以上(加算Ⅰ・Ⅱ)」などの選択ルールがあります。該当年度の通知別紙をもとに、今年度版への更新が必要です。

WAM NET(情報公表システム)への掲載状況

大阪市では、障がい福祉サービス等情報公表制度に基づく報告内容の審査・承認後にWAM NETへ公表される運用です。旧制度の加算名や古い取組み内容のまま放置しているケースは、指摘につながりやすいといえます。なお、外部公表(見える化要件)については、少なくとも令和7年度通知上は加算Ⅰ・Ⅱが明示対象です。


第3章:【緊急】2026年7月末の「実績報告」は準備できていますか?

この記事を読んでいる今、最も差し迫った課題が、**「令和7年度分(2025年度分)の実績報告」**です。

提出期限:2026年7月31日(厳守)

今回は新制度になって初めての「通年分」の報告です。複雑化した計算シートを正しく埋め、「加算額以上の賃金改善」を1円単位で証明しなければなりません。

支給額が加算額を下回っていた場合、差額を返すだけでは済みません。「計画と実績の乖離」として、加算全体の算定根拠を問われることになります。


第4章:あなたの事業所、本当に「正しく」取れていますか?(診断リスト)

  • 現在どの加算区分(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ)を算定しているか把握していますか?
  • キャリアパス要件に基づく「昇給の仕組み」は就業規則等に明文化されていますか?
  • 職場環境等要件の取組みを、令和8年度版(6区分28項目)に更新してWAM NETに反映しましたか?
  • 7月末の実績報告の計算を、誰が・どのデータを使って行うか決まっていますか?

第5章:実際のご相談から——よくある「勘違い」事例

事例A:「届出は出した。でも要件書類がない」

届出書に記載した要件(研修計画など)の根拠書類を保管しておらず、運営指導で「実態なし」と判定され返還を求められたケース。

事例B:「計画書通りに配ったつもりが、計算が合わなかった」

年度途中の職員退職に伴う計画修正を怠り、年度末の実績計算で合計額が計画を下回ってしまったケース。


まとめ——「専門家に確認する」は、最も賢いコスト削減です

処遇改善加算は、正しく取れば職員の幸せに直結しますが、間違えれば事業所の存続を危うくする諸刃の剣です。

「たぶん大丈夫」という言葉は、運営指導の場では通用しません。 私はピア行政書士として、現場の苦労も、事務の煩雑さも理解した上で、「大阪市ルール」に準拠した徹底点検を行っています。

  • 返還リスクをゼロに近づける。
  • 本来取れるはずの上位区分を取りこぼさない。

この2点を、今すぐ確定させませんか? 7月末の実績報告で慌てる前に、まずはご相談ください。

支援記録の書き方に迷う背景には、記録だけでなく、計画・モニタリング・加算・日々の支援内容のつながりが整理できていないケースがあります。

一度、外部の視点で確認すると、「記録として足りない部分」と「今のままでよい部分」が整理しやすくなります。

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