はじめに|その満足度調査、本当に「意味」がありましたか?
就労継続支援A型・B型、そして就労移行支援など、いわゆる「就労系福祉サービス」では、「利用者満足度調査」が行われているところもあります。
しかし、その調査が“本当に意味あるもの”になっているか”、一度立ち止まって考えてみたことはありますか?
「アンケートはやった。でも、それをもとに何かが変わったかと聞かれると……」
そうした現場の声を耳にするたびに、私はもどかしさを感じてきました。
2025年夏、私は行政書士として障がい福祉に特化した事務所を開業予定です。
制度の専門家であると同時に、かつて障がい福祉サービスを利用していた“当事者”でもある立場から、福祉事業所の皆様と一緒に「意味のある満足度調査」を作り上げていきたいと考えています。
やっただけのアンケートになっていませんか?
現在、すでにアンケート形式の利用者満足度調査を実施している事業所も多いかと思います。
しかしその中には、こんな課題を感じているケースもあるのではないでしょうか。
- 回答結果を集計したものの、改善につながる動きが起きていない
- 利用者にとって、フィードバックの機会がなく「書き損」になっている
- 形式にとらわれ、実態に合った質問設計ができていない
利用者に丁寧に書いてもらったアンケートを、「報告書に載せるためだけ」に終わらせてしまうのは、非常にもったいないことです。
意味のある満足度調査にするために、私ができること
私は今後、就労系福祉事業所に対して、以下のような形で満足度調査支援を行っていきたいと考えています。
1. 調査設計の段階から伴走すること
利用者目線に立った質問設計を行い、「形式的ではない、事業所独自の問い」を共に考えることを大切にしたいと思っています。
「本当に知りたいことは何か」「どうすれば書いてもらいやすいか」。この視点が調査の質を大きく左右します。
2. 希望者への“利用者面談”の実施
アンケートでは拾いきれない想いや違和感を、第三者として、かつ同じ経験を持つ当事者としての立場で丁寧に聴き取ることも検討しています。
これは、いわゆる支援者とは違う「ピア」の立場だからこそ可能な本音の引き出し方があると考えているからです。
調査の“その後”をどうつくるか
アンケートの本当の価値は、その内容を受けて、事業所がどんな変化や改善につなげられるかにあります。
たとえば、こうした「その後」を生み出す動きが考えられます。
- 集計後、全体傾向と改善方針を職員間で共有するミーティングの実施
- 利用者にも「調査結果と対応内容」をフィードバックする取り組み
- 来年度の支援計画や職員研修の方針に調査結果を反映させる
アンケートは“結果を出す”ためにあるのではなく、“変化を生むきっかけ”として活かされてこそ意味があると私は考えます。
意味のない調査は、むしろしない方がいい
最後に、少し厳しいことを言うようですが――
私は、「やる意味がない調査なら、やらない方がよい」と本気で思っています。
時間を割いて書いてくれる利用者様、
調査を準備・回収する職員の方々、
その全員の“手間と想い”が報われるような調査でなければ、形骸化した業務になってしまいます。
だからこそ、「やるなら意味のあるものに」。
“やってよかった”と思える調査づくりと、その先の改善へ。
その伴走を、当事者行政書士として行っていきたい――これが私の想いです。
おわりに|制度と現場をつなぐ「ピア行政書士」として
就労系事業所は、地域の中で非常に重要な役割を担っています。
しかし、制度や評価の形式だけでは測れない「現場のリアル」は、もっと丁寧に拾い上げられるべきです。
私は、「制度のプロ」でありながら「当事者の声を持つ行政書士」として、
事業所の皆さまと同じ目線に立ち、利用者満足度調査を“活きた取り組み”として支援していきたいと考えています。
ご興味のある事業所様は、どうぞお気軽にご相談ください。
「行政書士田中慶事務所(開設申請準備中)ホームページはこちら」