※この記事は行政書士事務所の開業準備中に執筆したものです。
現在は大阪市中央区で行政書士事務所を開業し、
障がい福祉事業所の運営支援・開業支援を行っています。
内容は2026年8月時点の制度・実務に合わせて確認・更新しています。
「利用者の工賃を上げたいけど、事業所の赤字が続いている」
「福祉と経営、どちらも大切なのに両立が難しい…」
そんな悩みを抱えている就労継続支援事業所の経営者は少なくありません。
特にB型事業所では、利益が出ないまま運営を続ける法人も多く、経営視点の強化が求められる時代になっています。
本記事では、福祉と経営を両立しながら利益を出すヒントと、行政書士の支援が有効なポイントを解説します。
就労継続支援事業所が利益を出しにくい理由とは?
まず、なぜ就労支援事業所は「利益が出にくい」と言われるのでしょうか?
1. 福祉的配慮と効率の両立が難しい
- 利用者のペースに合わせる必要があるため、生産効率が落ちやすい
- 利用者支援を優先するあまり、経営の数値管理が後回しになりがち
2. 障害福祉サービスの報酬と生産活動収入を分けて考える必要がある
- 事業所運営に関する収入には、障害福祉サービスの報酬などがあります
- B型の生産活動については、生産活動に係る収入から必要経費を控除した額を、原則として利用者の工賃として支払います
- そのため、事業所運営の収支と、生産活動に係る収支を区分して把握することが重要です
3. 自主製品・業務委託が不安定
- 売れない商品を作り続けている
- 委託元企業が減少し、売上が右肩下がり
福祉を守りつつ利益を出す3つの視点
利益を出すには「経営者視点での意思決定」が必要です。ただし、それは福祉を犠牲にすることではありません。
1. 経営の基本は「収支の見える化」
月次の損益管理をルーティン化する
- 売上(給付費・自主事業)、人件費、材料費、運営費などを毎月記録・確認
- 利益率の悪い作業やコストの高い工程を洗い出し、改善策を講じる
加算と人員配置の関係を確認する
- 算定できる加算について、必要な人員配置、資格、実績、届出などの要件を確認する
- 加算による収入だけでなく、必要となる人員配置や事務負担も含めて検討する
- 「必要な体制を整えているのに算定できる加算を確認していない」といった状態がないか見直す
2. 自主事業(作業・商品)の収益性を検証する
売上と工数のバランスを分析
- 商品別・作業別に「時間当たり収益」を計算
- 利用者のスキルや特性に合わせて、効率的な作業へ再配置
支援目的と収益性の両面から生産活動を見直す
- 商品・作業ごとの売上、原価、必要な工数などを確認する
- 利用者の希望や特性、支援目標との整合性を確認しながら、作業内容や工程を見直す
- 必要に応じて、新たな受注先や販売方法を検討する
3. 職員の役割と意識の再設計
支援=利益につながる業務であると再定義
- 職員は「支援者」であると同時に「現場のマネージャー」
- 支援が作業効率・品質を高めることを明確に共有
職員の業務負担を軽減し、経営視点を持たせる
- 書類業務や事務処理を外部委託やICTで効率化
- 職員会議で利益率・工賃・加算状況などを共有し、改善意識を育てる
事業運営を整理するときに行政書士が支援できること
人員配置・加算・運営書類の整理
障がい福祉事業所では、人員配置、加算の算定要件、勤務形態一覧表、各種届出などが相互に関係しています。
行政書士田中慶事務所では、現在の人員体制や運営状況を確認し、届出内容や運営書類との間にずれがないかを整理します。
運営上の課題を整理し、改善方法を具体化する
収支だけを見るのではなく、記録、計画、人員配置、業務の流れなどを確認し、現在の課題と目指す状態を整理したうえで、改善方法を具体化していくことも重要です。
契約書などの書類整備
外部企業との業務委託など、事業運営に必要となる契約書の作成・見直しについても、行政書士の業務範囲で支援できます。
まとめ|福祉と経営は対立しない、むしろ両輪
「福祉を大切にしたいけど、利益も出さなければ運営が続かない」
その悩みは正しく、そして自然なものです。
“福祉と経営の両立”は、バランスの問題ではなく設計の問題。
適切な支援体制と業務設計、加算取得と事業選定、職員意識と外部専門家の活用によって、両立は可能です。
福祉と経営の両立に悩んでいる事業所様へ
収支、人員配置、加算、業務の流れなどは、それぞれ別々の問題ではなく、事業所運営全体の中でつながっています。
行政書士田中慶事務所の「事業運営リノベサポート」では、現在の運営状況や課題を整理し、目指す状態を確認したうえで、改善方法を具体化し、実行計画まで一緒に整理します。
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