※この記事は行政書士事務所の開業準備中に執筆したものです。
現在は大阪市中央区で行政書士事務所を開業し、障がい福祉事業所の運営支援・開業支援を行っています。
なお、障害年金の請求書類の作成・提出代行などは社会保険労務士の業務です。本記事では、障害年金を実際に受給している当事者として、制度の基本や申請時に知っておきたいポイントを紹介します。
はじめに:障害年金は「もらえて当然」ではない
障害年金は、病気やけがにより日常生活や仕事に支障をきたす方の生活を支える制度です。 しかし、実際には「申請したけど通らなかった」「更新のたびに不安になる」といった声も少なくありません。
なぜ障害年金は受給が難しいと言われるのでしょうか?
障害年金の受給には、初診日、保険料納付要件、障害の状態など複数の要件があります。また、診断書や病歴・就労状況等申立書など、障害の状態や経過を確認するための書類も必要になります。
本記事では、障害年金を「正しく受け取り、継続的に受給する」ために必要な情報と、行政書士に相談するメリットについて障害年金受給経験がある筆者が解説します。
【申請】障害年金を正しく受け取るために
障害年金の基本的な仕組み
障害年金は大きく分けて次の2つがあります:
- 障害基礎年金(国民年金加入者が対象)
- 障害厚生年金(厚生年金加入者が対象)
等級は1級〜3級(基礎年金は1級・2級のみ)に分類され、障害の程度によって支給額が決まります。
申請時の重要ポイント
初診日の確認が重要
障害年金では、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた「初診日」が重要です。
初診日は、どの年金制度による障害年金を請求するのか、保険料納付要件を満たしているかなどを判断する基準になります。
病歴・就労状況等申立書の書き方
この書類は、本人の障害の経緯や生活への影響を詳細に記載するもので、審査に大きく影響します。 抽象的な表現ではなく、「どんな困難があるのか」「どのように日常生活に支障が出ているのか」を具体的に書くことが大切です。
ただし、精神障がいで申立書を作成する際には、過去の状況や現在の状況などを具体的に記載する作業は、思い出したくないことや触れたくないことを思い出していく作業となります。私自身もそうでしたが、ご自身の心身の状態に配慮して、何回かに分けて記載するのも有効かと思います。
診断書のチェックポイント
診断書は医師が記載しますが、内容の不備が多いのも現実です。提出前に、等級基準に沿った内容になっているかを確認する必要があります。 行政書士は、医師への依頼文作成などもサポートできます。
【更新】更新のたびにドキドキしないために
更新時の注意点と必要書類
障害年金は一度通ったら終わりではなく、定期的な「更新」が求められます(概ね1年~5年ごと)。
その際に再提出を求められるのが「診断書」。主治医が軽快と判断した場合、支給停止や等級変更になる可能性も。
主治医に伝えるべき内容とは?
診断書には「現在の症状」が記載されますが、医師が把握していない実態も少なくありません。 日頃から困っていること、日常生活の支障などをきちんと伝えておくことが、正しい診断書作成につながります。
【却下】申請が通らなかったときの対処法
よくある却下理由
- 初診日が証明できない
- 診断書の内容が等級基準を満たしていない
- 生活状況の記載が不十分
不服申立ての流れ
年金の決定に不服がある場合は、決定を知った日の翌日から3か月以内に、社会保険審査官へ審査請求をすることができます。
その決定にも不服がある場合は、審査請求の決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に、社会保険審査会へ再審査請求をすることができます。
不服申立てを検討する場合は、障害年金を取り扱う社会保険労務士などの専門家へ相談する方法もあります。す。
専門家へ相談する場合は社会保険労務士へ
障害年金の請求について、書類作成や提出代行などの専門的な支援を受けたい場合は、障害年金を取り扱う社会保険労務士への相談を検討しましょう。
社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成、提出代行、事務代理などを業務とする専門家です。
障害年金は、傷病名だけで決まるものではなく、初診日、保険料納付要件、障害の状態などを確認したうえで請求する必要があります。自分だけで整理することが難しい場合は、早めに専門家へ相談することも一つの方法です。
まとめ|障害年金は早めに情報を整理することが大切
障害年金を請求するときは、初診日、保険料納付要件、現在の障害状態などを一つずつ確認する必要があります。
私自身も障害年金を受給する当事者ですが、制度を調べ、必要な書類を準備していくことには大きな負担を感じました。
分からないことがある場合は、年金事務所や街角の年金相談センターに確認したり、専門的な申請支援が必要な場合は社会保険労務士へ相談したりしながら、早めに準備を進めることをおすすめします。
障がいのある方が利用する制度には、障害年金のほか、障害者手帳や障害福祉サービスの受給者証などがあります。それぞれ目的や手続きが異なります。
