※この記事は行政書士事務所の開業準備中に執筆し、2026年8月時点の制度・実務に合わせて内容を確認・更新しています。
現在は大阪市中央区で行政書士事務所を開業し、障がい福祉事業所の運営支援・開設支援を行っています。
はじめに
障がいのあるお子さんや、発達に心配のあるお子さんが利用できる支援には、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援などがあります。
これらは「障がい児通所支援」と呼ばれ、お子さんの年齢、障がいの状態、生活環境、必要な支援などに応じて利用するサービスを検討します。
この記事では、それぞれのサービスの対象者や支援内容、利用手続の流れを整理します。
1.児童発達支援
対象となるお子さん
主に、小学校へ入学する前の障がいのあるお子さんや、療育を必要とするお子さんが対象です。
障害者手帳を持っていない場合でも、医師の診断や自治体の判定などにより療育の必要性が認められれば、利用できる場合があります。
主な支援内容
- 日常生活に必要な基本的な動作の指導
- 知識や技能の習得に向けた支援
- 集団生活への適応訓練
- 遊びや活動を通じた発達支援
- 本人や家族への相談・助言
事業所によっては、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、心理担当職員などの専門職を配置し、専門的な支援を行っている場合があります。
2.放課後等デイサービス
対象となるお子さん
学校教育法に規定する学校に就学している障がいのあるお子さんが対象です。
原則として、学校の授業終了後や休業日に利用します。
主な支援内容
- 生活能力の向上に必要な支援
- 学習や宿題への支援
- 余暇活動や創作活動
- 社会性やコミュニケーション能力を育てる支援
- 地域交流の機会の提供
- 家族への相談・助言
支援内容や活動プログラム、送迎の有無、受入時間などは事業所ごとに異なります。
3.医療的ケアが必要なお子さんの児童発達支援・放課後等デイサービス
従来の「医療型児童発達支援」は、2024年4月の制度改正により、福祉型の児童発達支援と一元化されました。
現在は、医療的ケアが必要なお子さんも、必要な看護職員などを配置した児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所を利用する仕組みとなっています。
大阪市では、医療的ケアが必要なお子さんが児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する場合、必要な医療的ケアや見守りの程度を主治医に判定してもらい、「医療的ケア判定スコア」を区の保健福祉センターへ提出する手続があります。
ただし、利用するサービスや事業所の体制によっては、主治医による判定が不要となる場合もあります。
4.居宅訪問型児童発達支援
対象となるお子さん
重度の障がいなどにより、児童発達支援や放課後等デイサービスなどの事業所へ通うことが著しく困難なお子さんが対象です。
主な支援内容
専門職員がお子さんの自宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導、知識や技能の付与、生活能力の向上に必要な支援などを行います。
単に送迎が難しいという理由だけで利用できるものではなく、障がいの状態などから通所が著しく困難であることが必要です。
5.保育所等訪問支援
対象となるお子さん
保育所、幼稚園、認定こども園、学校、放課後児童クラブなどに通っており、集団生活への適応に専門的な支援を必要とするお子さんが対象です。
主な支援内容
専門職員がお子さんの通う施設を訪問し、本人への支援や、施設職員への助言などを行います。
- 集団活動への参加方法の調整
- 本人に合った声かけや環境設定
- 他のお子さんとの関わり方への支援
- 保育士や教員などへの助言
お子さんを別の施設へ通わせるサービスではなく、普段生活している保育所や学校などで支援を行う点が特徴です。
6.短期入所は障がい児通所支援とは別のサービス
短期入所(ショートステイ)は、児童発達支援や放課後等デイサービスと同じ障がい児通所支援ではありません。
短期入所は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスです。
保護者や家族が病気、休養、冠婚葬祭などの事情により一時的に介護できない場合などに、障害者支援施設、児童福祉施設、病院などへ短期間入所し、必要な支援を受けます。
利用する場合は、障がい児通所受給者証とは別に、短期入所についての支給決定を受ける必要があります。
7.障がい児通所支援を利用するまでの流れ
- お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口へ相談する
- 利用を希望する事業所を見学する
- 障がい児相談支援事業所などへ相談する
- 障がい児支援利用計画案を作成する
- 市区町村へ通所給付費の支給申請をする
- 調査や審査を受ける
- 支給決定後、通所受給者証が交付される
- 利用する事業所と契約する
- 個別支援計画に基づいて利用を開始する
障がい児通所支援を利用する場合は、原則として、障がい児相談支援事業所の相談支援専門員が作成する「障がい児支援利用計画」が必要です。
自治体によっては、保護者が作成するセルフプランを提出できる場合もあります。
8.事業所を選ぶときに確認したいこと
- お子さんの発達や障がいの特性に合った支援を受けられるか
- 個別支援と集団支援の内容
- 職員の配置や専門職の有無
- 利用できる曜日や時間
- 送迎の有無と送迎範囲
- 医療的ケアへの対応
- 保護者への説明や相談体制
- 学校、保育所、相談支援事業所などとの連携体制
- 事業所の雰囲気や、お子さんとの相性
ホームページやパンフレットだけでは分からないこともあります。可能であれば複数の事業所を見学し、支援内容や職員の対応、お子さんの様子などを比較することをおすすめします。
まとめ
障がい児通所支援には、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援などがあります。
利用できるサービスは、お子さんの年齢だけでなく、障がいの状態、生活環境、通園・通学先、必要とする支援などによって異なります。
まずは、お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口や、地域の障がい児相談支援事業所へ相談してください。
そのうえで実際に事業所を見学し、お子さん本人が安心して過ごせるか、保護者が納得して支援を任せられるかを確認することが大切です。
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