感情は「言葉」よりも「声」と「表情」で伝わる
コールセンターでリーダー研修を受けたとき、「メラビアンの法則」という言葉に出会いました。
それは、相手に与える印象の多くは、言葉の内容よりも“話し方”や“表情”で決まるという心理学的な法則でした。
【メラビアンの法則】
- 言語情報(話の内容)…7%
- 聴覚情報(声のトーン・話し方)…38%
- 視覚情報(表情・しぐさ)…55%
電話対応では顔が見えない分、「声」がすべて。だからこそ、トーン・間・共感の姿勢が、信頼につながるかどうかの鍵になる。
これはまさに、福祉の現場でも同じです。制度や支援内容がどれだけ正しくても、伝え方ひとつで信頼されるかどうかが変わるのです。
「伝え方」を間違うと、正しくても責められる
コールセンターでは、「謝ってはいけない場面で謝ると、こちらの非になる」ことを何度も学びました。
たとえば、明らかに会社側に落ち度がないのに、とりあえず「申し訳ありません」と言ってしまうと、お客様にとっては「やっぱりあんたたちが悪いんだ」という印象になってしまう。
だからこそ、伝え方が大事なんです。
✔ 「〇〇に関しては、申し訳ありません」と限定的に謝る
✔ 「〇〇様のお気持ちは、すごくわかります」と共感を示す
このように、「事実」と「気持ち」を切り分けて伝えるだけで、相手の怒りを落ち着かせることができます。
福祉現場でも同じ。たとえば、利用者や家族からのクレーム対応では、“こちらの非を限定する”ことと、“気持ちに寄り添う姿勢”を分けて対応することで、感情的な行き違いを防ぐことができます。
福祉職にこそ求められる“信頼の届け方”
福祉の仕事は、人の心に関わる仕事です。制度説明も支援方針の共有も、単に「正しいことを言えばいい」では済みません。
- 初めての面談での声のトーン
- 家族への説明のときのまなざしや表情
- うまく言葉にできない利用者との沈黙の間の取り方
こうしたすべてが、「この人なら大丈夫そうだな」という信頼につながります。
資格の有無よりも、「どう伝えるか」「どんな態度で関わるか」が、福祉職としての価値を左右します。
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制度を届けるのは“人”。だからこそ、伝え方が命になる
メラビアンの法則が教えてくれるのは、「人は言葉だけでは動かない」ということ。
制度や支援の内容をいくら正しく伝えても、それだけでは相手の心に届かない。
- 声にあたたかさがあるか
- 表情に信頼感があるか
- 話すときの姿勢に誠実さがにじんでいるか
こうした「伝え方の技術」は、研修でも身につくし、日々の中でも磨けます。
そしてそれは、資格の有無や経験年数に関係なく、誰でも実践できる「信頼を届ける力」です。
最後に──伝える力を“武器”に変えていこう
僕自身、資格のいらないコールセンター業務から学び、今は福祉の分野で行政書士として独立しています。
その過程で確信したのは、「伝え方ひとつで、信頼はつくれる」ということ。
それは、資格やキャリアに不安がある福祉職の方にとって、大きな励みになるはずです。
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私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。
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