就学の選択肢は「本来」どんなものがあるの?
お子さんが障がいを持っていて、就学を迎える――それは多くの親御さんにとって、嬉しさと同時に大きな不安を感じるタイミングだと思います。
まずは、制度上どんな選択肢があるのか、シンプルにお伝えします。
【決定版】「親なきあと」の不安を解消し、将来を守るための完全ガイド
📘 小学校入学時に選べる就学のかたち(制度上)
就学先の種類 | 内容 | 対象となる例 |
---|---|---|
通常の学級 | いわゆる「普通学級」。支援なしで通学 | 軽度の発達障がい・知的遅れのないASDなど |
特別支援学級(校内) | 学校内にある支援クラス(情緒、知的など) | 知的・情緒面に支援が必要な子 |
通級による指導 | 普通学級に在籍し、特別な時間だけ通級で支援 | ADHDやASDなど、場面によって支援が必要な子 |
特別支援学校 | 日常生活に広く支援が必要な場合の学校 | 重度の知的障がいや肢体不自由など |
✅制度上、どの選択肢が良いかは子どもの発達状況や特性、本人・家族の希望などをもとに決まります。
現実には「選べない」ケースがあるって本当?
1. 地域によって支援の選択肢が少ない
- 地方では特別支援学校や支援学級が近隣にない場合も。
- 「普通学級しかないから、そこに行くしかない」と言われることも。
✅ エビデンス: 文部科学省資料によると、特別支援学級の設置状況には地域差があり、都市部と地方では整備状況にギャップがあります。
出典:文部科学省|特別支援教育資料
2. 教育委員会との「温度差」
- 保護者は支援を希望しているのに、「様子を見ましょう」と普通学級を勧められる。
- 必要な支援がないまま入学して、子どもも親も苦労するケースもあります。
3. 医師の診断や発達検査の有無で差が出る
- 診断名がある場合は支援に結びつきやすいが、グレーゾーンの子は判断が曖昧になりやすい。
親が「後悔しない」ためにできることは?
✅ 1. 早めに「就学相談」を申し込む
市区町村の教育委員会では、年長の6月〜10月頃に就学相談を行うことが多いです。
- 子どもの発達状況を確認しながら、どの就学先がよいかを相談できます。
- 必要であれば医師や発達支援センターの意見書も活用。
✅ 2. 専門家のサポートを活用する
- 発達支援センター、療育施設、心理士などの第三者に相談することで、冷静に判断できます。
- 意見書や支援記録は、教育委員会との話し合いに役立ちます。
✅ 3. 家族以外の「味方」を見つけておく
- 同じ経験をした親の声
- 地域の支援団体やNPO
- そして、障がい理解のある専門職(行政書士や相談支援専門員)
「制度に詳しい人」がそばにいるという安心感
教育委員会との話し合いでは、専門用語や制度の壁が大きく立ちはだかります。
親御さんは、感情と向き合いながらも制度を理解しなければならないという、非常に難しい立場に置かれます。
その時に、「相談できる第三者がいる」ことで、冷静に選択肢を比較検討しやすくなります。
お子さんの「最善の利益」を大切にするために
✨大切なのは、「普通」かどうかではなく、お子さんが安心して学び、成長できる環境かどうかです。
インクルーシブ教育(障がいの有無に関わらず共に学ぶ)の理念は広がりつつありますが、地域や制度の現実はまだ追いついていない面もあります。
だからこそ、今の制度の中で、どこにどう相談すれば、納得のいく選択ができるかを一緒に考える存在が必要だと、私は思っています。
悩んでいる親御さんへ、私はこう伝えたい
お子さんの就学について、
「制度がよくわからないまま話が進んでしまった」
「何度も伝えているのに希望が通らなかった」
「このままでいいのか、ずっと不安」
そう思った時に、ひとりで抱えないでください。
私は、自分自身も障がいを持つ行政書士として、
制度と向き合ってきた経験があります。
だからこそ、「気軽にふらっと話せる相手」でありたいと思っています。
📝まとめ
- 就学先には複数の選択肢がありますが、地域や制度によって制限を受けることがあります。
- 就学相談では、子ども本人の状態と親の想いの両方が大切です。
- 親御さんが納得して進めるためにも、制度を理解し、必要なら専門家の助けを借りることが重要です。
ご相談はお気軽にどうぞ
お子さんの就学に悩んでいる方、制度の壁にぶつかっている方、
どんなに小さなことでも構いません。
「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うことこそ、障がい者福祉分野の専門職にお声掛けください。
あなたとお子さんにとって最善の道を、一緒に探していける存在を目指しています。
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