はじめに|「ダブルライセンス」という甘い響き
行政書士を目指すと決めたとき、同時に「行政書士って食えないらしいよ…」という情報にも出会いました。
検索すれば出てくるのは、「行政書士だけじゃ厳しい」「ダブルライセンスで仕事の幅を広げよう」なんて言葉の数々。
その流れで、僕も「何かもう一つ資格を取ろうかな」と考えたんです。
なんとなく2年でダブルライセンスを取れたらいいなって。
そのとき選んだのが、土地家屋調査士でした。
でも今、僕は行政書士資格一本で開業を目指しています。
今回は、「なぜダブルライセンスをやめたのか」「どうして今は行政書士だけでやろうと思っているのか」その理由を書いていきます。
「相性のいい資格」で土地家屋調査士を選んだ
「行政書士と相性が良い資格」で調べれば、必ずと言っていいほど出てくるのが以下の3つ:
- 司法書士
- 社会保険労務士
- 土地家屋調査士
「せっかく勉強するなら、業務で連携できそうな資格がいい」
そう考えた僕は、測量士補→土地家屋調査士のルートを見つけ、「これなら2年でダブルライセンスいけるかも」とスタートしました。
でもこの時点での正直な気持ちは、「何をやりたいか」は曖昧で、「行政書士だけじゃ不安だから何かもう一つ」くらいの理由でした。
行政書士を知るうちに、やりたいことが見えてきた
行政書士の勉強を進める中で、法律のしくみや公的制度について深く知るようになりました。
そんな中、障がい者福祉の制度や支援に強く惹かれるようになったんです。
自分自身、障がい当事者としての経験があるからこそ、
「この分野で専門性を持ってサポートしたい」と本気で思えるようになった。
気づけば、土地や建物の調査・測量に対しては熱が入らなくなっていました。
結果、「土地家屋調査士の資格、今の自分に本当に必要かな?」と立ち止まるようになったんです。
ダブルライセンス=安心?それって本末転倒かも
「行政書士だけじゃ不安」という気持ちからダブルライセンスを目指す人は、きっと少なくないと思います。
でも、不安のまま資格を増やしていっても、やりたいことが見えなければ結局ブレてしまう。
たとえば、僕が今後やりたいのは以下のような業務:
- 障がい福祉サービス事業所の設立支援
- 利用者支援に関わる報酬請求サポート
- 利用者目線での相談対応・書類作成サポート
これらに必要な資格は、行政書士+福祉の実務知識くらい。
測量や登記の知識は、今のところ必要ではありません。
もちろん、将来やりたいことが広がって、たとえば介護施設や労務管理にも関わりたくなれば、社会保険労務士が必要になるかもしれません。
でもその時に改めて考えればいい。
「やりたいことに必要だから資格を取る」方が、迷いも少ないし、勉強のモチベーションも高まります。
今は行政書士一本で、自分の“役割”を磨く
今の僕は、「行政書士資格だけでやっていく」と決めています。
なぜなら、自分のやりたいことと、行政書士の業務がしっかりつながっているから。
必要なことは、資格よりも“現場で必要とされる存在”であること。
これから開業していく中で、福祉の現場や利用者さんの声から学び、
「資格」だけじゃない価値を高めていきたいと思っています。
おわりに|「足す」の前に「深める」選択を
ダブルライセンスは、うまくハマれば大きな武器になります。
でも、それは「やりたいことがあってこそ」の話。
なんとなく不安だから、周りがそうしているから、という理由で資格を足していっても、
どこかで「自分は何をやりたいのか」という問いに立ち返ることになります。
だからこそ、今この瞬間、「行政書士で何がしたいか」を深めることが、
最終的には一番の武器になると僕は思っています。
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