障がい者福祉分野に参入する人が増えている背景
少子高齢化や労働人口の減少が進むなか、「障がい者福祉」は成長分野として注目を集めています。
特に近年、福祉業界の外からこの分野に参入する企業や個人が増え、「起業」という形で福祉の現場に関わろうとする動きが活発です。
でも、気になりませんか？
「どうして障がい者福祉で起業しようと思ったのか？」
そしてその動機は、“誰かを助けたい”という美談だけでは語れないものが多いのです。
福祉起業家たちの“リアルな動機”7タイプ
福祉起業の動機を深掘りすると、実に多様でユニークです。ここでは、実際によく見られる「7つの出発点」をご紹介します。
① 当事者・家族として制度の“限界”を感じた人
- 子どもの通う事業所に不満があった
- 障がい年金だけでは生活が成り立たなかった
- 「もっとこうしてほしい」と思いながら誰もやってくれなかった
→ 制度に助けられた経験と、そこに残る“課題意識”が動機になるタイプです。
② 異業種のスキルを“社会課題”に応用したい人
- IT、建築、デザイン、農業などの分野からの参入
- 「自分の得意」を福祉に活かせる場として着目
→ 「社会貢献」より先に「自分のスキルを活かす場所」として福祉を見ています。
③ 介護・医療など隣接分野からのステップアップ
- 高齢者分野の経験を持ち、次の成長領域として障がい福祉を選ぶ
- 「障がい者支援はやりがいもあるし、加算も豊富」と分析
→ ビジネスと現場の両面を冷静に見ている人が多いのが特徴です。
④ 元・福祉職員の「もやもや」が原動力に
- 支援員、サビ管、相談支援専門員などが、現場の限界を感じて独立
- 「こうしたいのにできなかった」という想いを持ち起業
→ 「現場を変えるには、自分が事業主になるしかない」と覚悟を決めた人たちです。
⑤ 地域資源を活かしたいという発想から
- 実家の空き家、親の農地、地元の人脈などを活用
- 「眠っている資源を、誰かの役に立てたい」
→ 発想は地域活性に近く、「福祉」という手段を通じて社会とつながろうとする姿勢です。
⑥ 自分の“回復”や“再起”と重ねた人
- 元・ひきこもり、元・障がい福祉サービス利用者など
- 「かつての自分のような人を支えたい」
→ 自身の苦しみを昇華し、「今度は自分が与える側に」という決意が動機になるケース。
⑦ 小規模でも「自分らしい居場所づくり」がしたい人
- 本業を持ちながら副業的に始めたい
- 小さな拠点や週末限定で、自分のペースで関わりたい
→ 「ビジネス」よりも、「安心できる場を持ちたい／提供したい」という内発的な動機です。
「助けたい」より前にある“問い”が、起業の出発点になる
“誰かを助けたい”という気持ちは、もちろん大切です。
でも、実際に起業まで踏み切る人たちはそれだけではなく、
- 「なぜ今の制度では足りないのか」
- 「この地域に必要な支援は何か」
- 「自分がやる意味は何か」
──という“問い”を持っています。
そしてこの問いが、事業の方向性や独自性を形づくっていきます。
あなたの想いを、カタチにできる時代が来ている
障がい者福祉の世界は、まだまだ多様性を求めています。
だからこそ、あなたの想いや経験、スキルが役立つ場面がきっとあります。
もし「やってみたい」という気持ちがあるなら、
小さく始めることからでも、大きな一歩になるかもしれません。
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