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「わかってるつもり」が一番怖い。“障がい者アライ”として大切にしたい3つのこと

目次

🔍 そもそも「アライ」とは何か?──LGBTQだけじゃない、広がる“連帯”のかたち

アライ(Ally)」という言葉、最近ではLGBTQ+の文脈でよく聞くようになりました。
でも、元々の意味をたどると、これは「同盟」「味方」「支援者」という意味。つまり、何かの社会的課題に対して当事者ではないけれど、理解し、寄り添い、ともに行動する人を指します。

たとえば、性的マイノリティの人がカミングアウトしたときに、それを否定せず、「あなたのままで大丈夫」と受け入れてくれる人。職場や学校で、無意識の差別や偏見を見かけたときに「それは違う」と声をあげる人。
そうした存在が「アライ」です。

そしてこの考え方、実はLGBTQ+だけに限ったものではありません。

・障がいをもつ人
・難病や慢性疾患とともに生きる人
・ひとり親家庭や生活困窮者
・依存症回復者や元受刑者
・日本で暮らす外国籍の方々

どんなテーマにも、「当事者」ではないけれど、「その人の立場に立って考え、行動できる人」は必要です。
そういう意味で、「障がい者アライ」という言葉も、もっともっと使われていって良いはずなんです。

🤝 なぜ「障がい者アライ」が必要なのか?──当事者が“語れない現実”を想像する

障がいのある人は、見た目だけでは分からないことがたくさんあります。
車椅子や白杖のように「わかりやすい障がい」もあれば、発達障がい・精神障がい・聴覚障がいなど、「見えない障がい」もたくさんあります。

そして、障がいの特性によっては、「困っていることを伝える」のが苦手な人もいます。
本当は助けがほしいけど、「我慢したほうが場の空気を壊さないから」と声を上げない人。
「どうせ分かってもらえないから」と諦めている人もいます。

そんなときに、さりげなく気づいて、先に手を差し伸べてくれる人がいたら
その存在は、当事者にとって何よりの“安心”になります。

つまり、「障がい者アライ」とは、
困っているのを見て動く人ではなく、「困ってるかもしれない」と想像して動ける人なんです。

⚠️ 暴走する“自称アライ”が当事者を苦しめるという現実

ここで少し厳しい話をします。

「アライ」と名乗る人の中には、“自分の支援こそ正しい”と信じすぎて、当事者を置いてけぼりにしてしまう人がいます。
悪気はない。でも、支援の主語が“自分”になってしまっている

たとえば、

  • 「私、こういう活動してるから、障がい者のこと分かってますよ」と上から話す
  • 当事者の話を遮って、「それって、こういうことでしょ?」と先回りして決めつけてしまう
  • 「あなたのためにやってるのに、なんで分かってくれないの?」と怒ってしまう

これ、当事者にとっては本当にしんどいです。

本当に支援してほしいときには声を上げづらく、
「ありがた迷惑」なときに限って、大きな声で“支援者”を名乗られてしまう。

そうなると、結果的に、アライの存在が当事者にとって“信頼できないもの”になってしまうんです。

💡 本当に必要なのは、“名乗る前のひとこと”

じゃあ、どうすればいいのか?

それはとてもシンプルで、
「私は障がい者のアライです!」と名乗る前に、

と、相手に確認する勇気と謙虚さがあるかどうかです。

アライは、「私は正しい」じゃなくて、「あなたの感じ方を尊重します」という姿勢がすべてです。
自分の善意や経験が、相手にとって有益かどうかは、“相手が決める”ことなんですよね。

わからなければ、聞けばいい。
自分の言動に不安があるなら、「この言い方、傷つけてないかな?」と尋ねればいい。

当事者が求めているのは、「完璧な理解者」じゃなくて、
「一緒に悩んでくれる人」「聞いてくれる人」「変わろうとしてくれる人」なんです。

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📝 私が願う「障がい者アライ」のこれから

もっと気軽に、でも誠実に、「障がい者アライ」という言葉を使ってほしいと思っています。

「アライ」とは、“特別な誰か”じゃありません
日常の中で、ほんの少し、目線を合わせてくれる人。
わからないことをわからないと言える人。
そして、相手を主役にできる人。

たとえば、バスの乗車で困っている人を見かけたとき。
福祉制度について分からないという声を聞いたとき。
「どこまで手を出せばいいんだろう?」と迷っても、「関心を持って見守る」という行動も、立派なアライの第一歩です。

「障がい者アライ」という言葉が、もっとあたたかく、ひろがっていきますように。
そのためには、名乗ることより、耳を傾けることから始めるアライが一人でも増えていってほしい。

📣 最後に──支援者になりたいあなたへ

アライかどうかを決めるのは、「あなた自身」ではなく、「当事者」です。
あなたが「支援しているつもり」でも、それが相手を疲れさせていたら、本末転倒になってしまいます。

だけど、それに気づいて、変わろうとする姿勢があれば──
その瞬間から、もうあなたは「信頼できるアライ」だと私は思います。

どうか、「当事者の声を聞くこと」「違いを否定しないこと」から、あなたのアライとしての一歩を踏み出してください。

🌈 「“アライ”って、こういうことでいいのかな?」
そんな小さな問いかけが、やさしい社会への第一歩です。
あなたの“支援したい”気持ちが、誰かの安心にきっとつながります。

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📝 この記事を書いた人
行政書士 田中慶

私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。

「制度はわかったけど、うちの場合はどうすればいいの?」
「現場の実際を知りたい」

そんな“制度と現実の間”で迷っている方の相談相手として、利用者側と支援者側、両方の視点を持つピア行政書士として、一緒に最適な道を探します。

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