025年10月からスタートする「就労選択支援」。
障がいのある方の“働き方の選択肢”を広げる、画期的な新制度です。
この制度の中核を担うのが「就労選択支援員」ですが、「どうすればなれるの?」「資格が必要?」「今から間に合う?」といった疑問の声を多く耳にします。
この記事では、福祉経験者・研修修了者・未経験者の3タイプに分けて、支援員になるまでのルートと準備を丁寧に解説します。さらに、障がい当事者としての視点から、「こんな支援員に来てほしい」というメッセージもお伝えします。
目次
就労選択支援員に必要な資格・要件とは?【最新制度情報】
2025年6月現在、厚生労働省の発表によって、就労選択支援員になるための条件が明らかになってきました。
🔸 基本要件(以下のいずれかを満たすこと)
- 「障害福祉サービス従事者基礎研修」の修了
- 就労支援の実務経験が通算5年以上あること
- または、これらに相当する厚労省認定の研修(例:訪問型職場適応援助者養成研修、就業支援基礎研修 等)
上記いずれかの要件を満たすことで、就労選択支援員養成研修の受講資格が得られます。
🔸 養成研修とは?
- 2025年度(令和7年度)から本格的に開始される新設研修
- 養成研修の修了が支援員として配置されるための必須条件となります
- 5月下旬から申込受付中
🔸 経過措置あり(2027年3月末まで)
- 2027年3月末までは、上記の相当研修の修了者でも配置可能
- ただし、後から必ず養成研修を受けることが前提です
🔸 人員配置基準も決定
- 利用者15人につき、常勤の就労選択支援員1名以上の配置が必要
あなたはどのタイプ?支援員までのルートを場合分けで解説
①すでに福祉・就労支援の実務経験が5年以上ある人
✅ こんな人が対象:
- 就労移行支援、A型・B型事業所での支援員経験
- 就業・生活支援センターなどでの職業支援経験者
📍 必要なステップ:
- 実務経験を証明できる書類(勤務証明書など)を準備
- 自治体の案内に沿って養成研修に申し込み・受講
⏱ 目安期間:
- 養成研修の修了まで2~4か月程度
②「障害福祉サービス従事者基礎研修」を修了している人
✅ こんな人が対象:
- 放課後等デイサービス、生活介護などで基礎研修を受けた方
- 現在、他分野の福祉施設に勤務している方
📍 必要なステップ:
- 修了証を確認して、自治体の研修に申し込み
- 経験が浅い場合は、実務も並行して積むと効果的
⏱ 目安期間:
- 研修のみなら2~3か月程度
③未経験から支援員を目指したい人
✅ こんな人が対象:
- 一般企業勤務から転職を考えている人
- 「福祉の仕事に挑戦したい」と思っている未経験者
📍 必要なステップ:
- 福祉事業所でのアルバイト・パート勤務からスタート(週3〜でもOK)
- 基礎研修の受講申込
- 経験を積みながら養成研修の受講資格をクリア
⏱ 目安期間:
- 半年〜1年程度で支援員のスタートラインへ
どんな人が向いている?支援員に求められる「素養」とは
私は障がい当事者として、これまで数多くの支援員と接してきました。
支援の質は、“知識”や“制度理解”だけでは測れません。支援員に本当に必要なのは、以下のような“素養”だと思っています。
- 話を遮らず、最後まで耳を傾ける姿勢
- 「正解」を押しつけない、寄り添う心
- 体調や気分の“波”を否定しない柔軟さ
- 制度のグレーゾーンに悩む現実を理解できる人間性
- 当事者の現状を客観的に把握して助言できる指導力
そして何より、「一緒に悩んでくれる人」であること。
だからこそ、「特別なスキルはないけど、誰かの力になりたい」という方に、ぜひ目指してほしい職種です。
まとめ|今なら間に合う。制度の立ち上げ期はチャンスです
就労選択支援は、まだ始まったばかりの制度です。
だからこそ、新しい福祉の形を一緒に作っていく面白さとやりがいがあります。
どのルートでも、今から動けば、まだ間に合います。
必要なのは「資格」よりも、「誰かの選択肢を広げたい」という想いです。
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