これまでA型事業所での就労経験しかなかった僕が、初めて「もしB型事業所を利用するとしたら?」と考えて情報収集してみたんです。
すると、想像以上にわかりにくくて、探しづらいことに気づきました。
雇用契約の有無という制度の違いもありますが、そもそも「どこで、どうやって、どんな情報を見て選べばいいのか」がまったく整理されていない。
今回は、A型・B型の“情報の格差”について、実際に調べて感じたこと。そして、2025年10月から始まった「就労選択支援事業所」が、そこにどう貢献してくれるかへの期待も込めて、お話ししたいと思います。
A型事業所は“求人”として探せるけど、B型は“求人じゃない”
A型事業所の場合、ハローワークのインターネットサービスで「障がい者求人」→「A型」とキーワードを入れて検索すれば、次のような情報がすぐに出てきます:
- 勤務地
- 時給
- 勤務時間
- 仕事内容
さらに、Indeed(インディード)などの求人サイトにも掲載されていることがあり、「仕事」として比較検討がしやすいのがA型の特徴です。
B型事業所は“求人ではない”から、探しづらさが圧倒的
一方で、B型事業所は「福祉サービス」であって、雇用契約を結ばないため、求人サイトやハローワークの検索画面にはほとんど出てきません。
唯一、ハローワークに直接足を運ぶと、紙ベースで事業所情報がファイリングされていて閲覧できますが、それも限られた情報しか載っていないこともあるようです。
一覧はある。でも「決め手になる情報」がない
たとえば、大阪市が出している「就労継続支援B型事業所一覧」PDFには、事業所名や住所、電話番号は記載されています。
📄【参考リンク】:
大阪市|障がい福祉サービス事業所一覧(就労継続支援B型)
https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000603/603679/2025.6.1-14.pdf
しかし、いざ通所を検討するとなると、欲しいのはこんな情報です:
- どんな作業があるの?
- 工賃は平均でいくらくらい?
- 雰囲気は?
- 利用者の年齢層や人数は?
残念ながら、一覧ではそうした「選ぶために必要な情報」がほぼ載っていません。
「リタリコ仕事ナビ」が、現状もっとも探しやすい
僕が実際に探してみて、一番わかりやすいと感じたのが
このサイトは、写真付きで施設の紹介がされていたり、作業内容、工賃、施設のこだわりなどが詳しく書かれていることが多く、利用者目線に近い情報が手に入ります。
ただし、すべてのB型事業所が掲載されているわけではないため、「ここが気になるけど載ってない」ということも起こります。
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自分で調べて、改めて気づいた「情報格差の壁」
A型しか知らなかった僕にとって、B型を調べてみるという体験は衝撃的でした。
- 「どこにあるか」は分かっても、「どんなところか」は分からない
- 電話して見学に行くしかないが、選択肢が多すぎて絞れない
- ハローワークや支援機関でも、積極的にB型の細かな情報を伝えてくれるわけではない
つまり、「自分に合うB型を探す」というだけで、すでに大きなハードルがあるんです。
だからこそ、「就労選択支援事業所」に期待したいこと
2025年10月から始まる「就労選択支援事業所」では、利用者の希望や特性、強みをアセスメントしたうえで、適切な就労系サービスを案内・紹介してくれるとされています。
この新しい仕組みが本格化すれば、「B型を探しているけど、どこが合っているか分からない」という人にとって、力強い味方になるかもしれません。
願わくば、こういった支援機関が、
- 通所希望者の生活状況や体調も含めて丁寧にヒアリングし
- 工賃や仕事内容、支援体制、雰囲気なども加味して
- 具体的なB型事業所をいくつかピックアップしてくれる
ようになれば、B型に対する「情報の壁」や「心理的な壁」がぐっと下がるのではないかと、期待しています。
最後に:情報格差のせいで「選べない」なんて、もったいない
「A型よりB型の方が向いているかもしれない」
「でも、どんなところがあるのか分からない」
そうやって選択肢を狭めてしまう人は、決して少なくないはずです。
制度や情報提供の仕組みがもっと整って、「働くことへの選択肢」が開かれていくことを願ってやみません。
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私自身、障がい者福祉サービス(A型・B型事業所)を利用していた経験があります。
「現場の実際を知りたい」
そんな“制度と現実の間”で迷っている方の相談相手として、利用者側と支援者側、両方の視点を持つピア行政書士として、一緒に最適な道を探します。

