高齢者福祉では当たり前?利用者満足度調査の現状
介護保険事業所など高齢者福祉の分野では、利用者満足度調査の実施が広く普及しています。厚生労働省が推進する「介護サービス情報公表制度」でも、事業所はサービス内容や運営体制だけでなく、利用者アンケートの実施状況も評価の対象となっています。多くの事業所が、年1回のアンケートや聞き取り調査を通じて「利用者の声」を収集し、サービス改善や職員教育に活かしているのが現状です。
このように、高齢者福祉分野では「満足度の見える化」が制度的にも支えられ、事業所の信頼性や競争力に直結する取り組みとして浸透しています。
障がい者福祉分野は満足度調査が遅れている?
一方、障がい者福祉サービス(就労支援、生活介護、グループホームなど)では、利用者満足度調査の実施は義務化されておらず、事業所ごとの判断に任されているのが実情です。
実際、公益社団法人かながわ福祉サービス振興会のコラム(2023年4月)でも、「障がい福祉の事業所では、定期的な満足度調査を行っていないケースも多く、結果として利用者のニーズを把握しきれていない事例もある」と指摘されています。
また、障がい特性によってアンケート調査が困難であることもあり、「調査の手法が確立されていない」ことが遅れの背景といえるでしょう。
だからこそ、今始めれば“強み”になる
しかし見方を変えれば、今こそがチャンスです。
現時点で、障がい者福祉の多くの事業所が利用者満足度調査を実施していない状況だからこそ、いち早く取り組むことで他事業所との差別化を図ることができます。例えば以下のようなメリットが考えられます。
- 利用者本人や家族との信頼関係の強化
- サービス改善の具体的な指針の発見
- 自治体や関係機関への評価アップ
- ホームページやパンフレット等に調査結果を掲載することで、第三者への“安心材料”になる
特に、今後は障がい福祉サービスにおいても「選ばれる事業所」になるためのブランディングが必要となります。定期的な満足度調査は、そのための大きな一歩になります。
利用者満足度調査の導入ポイントと工夫
調査の実施にあたっては、以下の点に配慮することで、より実効性のある運用が可能です。
- アンケートの形式を工夫:ピクトグラム(絵記号)や選択肢の工夫などで、知的障がいや発達障がいのある方でも回答しやすくします。
- 家族や支援者の協力も活用:利用者本人だけでなく、日常を支える家族や職員の声も補助的に集めます。
- 結果のフィードバックを必ず行う:集めた声を“集めっぱなし”にせず、「改善しました」「こう活かしました」と共有することで信頼感が増します。
こうした工夫により、たとえ小さな規模の事業所でも「満足度の見える化」に取り組むことができ、地域における存在感を高めることにつながります。
行政書士として、利用者目線からの調査支援を予定しています
筆者は、障がい福祉の当事者としてサービスを利用した経験を持ち、その立場から福祉事業所の開設や運営サポートを行う行政書士として開業予定です。
自身が「利用者」であった経験から、利用者の視点や家族の気持ちに寄り添った満足度調査の設計・運用支援ができることが、私自身の“強み”だと考えています。
- どんな項目を調査すればいいのか?
- 障がいのある方が無理なく答えられる工夫とは?
- 調査結果をどう活かせば、自治体・利用者からの信頼につながるのか?
こうしたお悩みに、制度面・現場感覚の両面からサポートしていく予定です。
まとめ
障がい者福祉分野では、まだ十分に広がっていない利用者満足度調査。しかし、だからこそ今始めれば、他の事業所との差別化につながり、サービスの質を高める有力な武器となります。
「見える化」によって、信頼される事業所づくりを目指しませんか?
行政書士として、利用者の声に耳を傾ける仕組みづくりを、利用者目線で全力サポートいたします。
「行政書士田中慶事務所(開設申請準備中)ホームページはこちら」